BLOG ブログ

離婚に関わらず売却しやすいマンションの条件を考えてみる

マンションを購入する際には、離婚などの特定の状況に関係なく「売りやすさ」を意識することは大切です。購入時から将来の売却を見据えて選ぶことで、資産価値を保つことができます。今回は、売却しやすいマンションの具体的な条件やポイントについて解説し、これからマンションの購入や売却を検討している方に向けてのアドバイスを紹介します。

1. そもそも売れるマンションとは?

マンションの売却を考えた時には誰でも高く売りたいと考えるものです。

新築や中古のマンション、さらには買取業者が売主となったリノベーション済みマンションなど、さまざまな選択肢がある中でどんなマンションが売りやすいのか。

そして、どういったマンションが売りにくいのか。まずはその違いについて考えてみましょう。

1-1 売りやすいマンションとは

マンションの購入を考えている他人の考えを推し量るのは難しいものですが、単純に分かりやすい考え方として、「自分だったら欲しいと思うか」「買う価値があるのか」があると思います。

具体的な例としては 「人気があるマンション」 「希少価値のあるマンション」 この2つの条件が揃ったマンションは「売りやすい」と言えるのではないでしょうか。

1-2 売れないマンションとの違い

マンションの購入を考えている人たちは色々な条件で物件を探しています。ですが実際のところ、上位に上がってくる条件は大差ないものです。

・交通の便がいい
・陽当たりがいい
・静か
・学校が近い
・スーパーやドラッグストアなどの買い物施設が整っている

だいたいがこんな感じの条件です。

間取りや広さも条件には上がってはきますが、上記の条件に比べれば絶対的なものではなく、ある程度は妥協できる条件のようです。

このように考えると、売りやすいマンションと売りにくいマンションの違いは、やはり立地によるところが大きいと言えます。

そのため、購入時に「値段の安さ」で立地をないがしろにしてしまった人は、売却をする際には苦労する可能性が高くなると思います。

2. 売りやすいマンションの立地条件

「マンションは立地を買え」と言われるぐらい、マンションの売りやすさを左右する最も重要な要素の一つが「立地」です。

いくら間取りや設備が良くても、立地が不便だと買い手がつきにくくなります。売りやすいマンションの条件として、まずは売却しやすいマンションの立地条件について説明していきます。

2-1 駅近アクセスは鉄板の条件

駅までのアクセスは、マンションの立地条件において重要視される項目です。

間取りにもよりますが、1LDKや2LDKの場合には10分程度の距離。3LDK以上のファミリー層向けの場合には15分、もしくは20分程度のマンションに対しての需要が高くなります。

また、始発駅や複数路線が利用できる駅の場合は、より一層に売りやすくなります。

2-2 周辺環境が整っていることの重要性

交通アクセスと同じくらい重要視されるのが周辺の生活環境です。

スーパーやドラッグストア、コンビニ、病院、学校、公園などが近くにあるかどうかは重要な要素です。また、治安が良いエリアや静かな住宅街も、子育て世代にとっては魅力的な要素になってきます。

周辺施設が充実している場所は、長期的な目線で考えても高い需要があります。

3. 間取りと使い勝手の良さ

間取りも売却時の人気にも影響します。どのような生活スタイルにも対応できる使い勝手の良い間取りは、幅広い層にアピールでき、売却しやすくなります。

ここでは、売りやすい間取りのポイントを紹介します。

3-1 売却時に評価される間取りとは

売りやすい間取りは、幅広い年齢層に受け入れられやすいレイアウトが基本です。

最近のトレンドとしては、リビングが広く、家族みんなで使える共有スペースがあると好印象に。また、余計な仕切りが少ないオープンな間取りは、購入後にリノベーションを考えている人にとっては魅力的に映ります。

中古マンションの購入層として、夫婦+子ども1人~2人の計3人~4人世帯が一番のボリュームゾーンになっていることを考えると、3LDKで70㎡前後の間取りに対してのニーズが高く、一番売りやすい間取りになります。

3-2 家族構成に応じたフレキシブルな間取り

家族3人~4人のファミリー層には、リビングやダイニングが広く、家族が集まりやすい間取りは人気です。

 この間取りもいいけど 


対面キッチンになっていないことはさておき、リビングがタテ長の間取りです。3LDKとしてはよく見かける間取りです。

子どもが1人でしたら、北側の洋室が子ども部屋と夫婦の主寝室ですかね?

子ども2人なら、北側2部屋が子ども部屋。リビング横の洋室が主寝室になるかと。


 こっちの方が第一印象がいいです 


リビングがヨコ長の、新築マンションでは主流の3LDKの間取りです。

家族構成に応じての部屋の使い方は一緒なのですが、リビングが南面に対してワイドな配置になっているのでより一層に明るい印象になります。

内覧している時の反応も、やはりこちらのタイプの間取りの方が食いつきはいいですね。


シングルもしくは夫婦2人の購入層の場合では、こんな間取りがいいのでは。


リビングと隣の洋室を壁ではなく可動間仕切りを使って間仕切ったレイアウトです。

こうすることで、1LDKとしても2LDKとしても使うことができるので、シングルから夫婦2人、親子2人のパターンから、頑張れば子ども1人の3人暮らしにも対応できます。

ターゲット層を広くすることができるので、壁で仕切ってしまったお部屋よりは売りやすくなります。

3-3 収納スペースと動線が売りやすさに直結

収納スペースの豊富さは売却時の大きなアピールポイントです。

特に、ウォークインクローゼットやパントリーなど、実生活において使い勝手の良い収納が備わっていると評価が高まります。

また、生活動線が効率的で、家事がしやすいレイアウトはファミリー層、特に奥さんから好まれます。が、昔に流行ったキッチンと洗面の2ウェイ間取りは、食器棚や家電収納の置き場に困ってしまうので、今となっては不人気になっています。

3-4 ちょっと広めが魅力的

コロナ禍の影響もあり、在宅ワークを意識した間取りが注目されています。

仕事部屋、書斎などと言った御大層なものではなくとも、リビングの一角にちょっとしたワークスペースや家事スペースが作れるような、ちょっと広めの専有面積のあるお部屋は、評価が高めになってきています。

4. 築年数と建物の管理状態

築年数や建物の管理状態もマンションの売却に大きく影響します。

築年数が古くても、共有部分のメンテナンスや管理がしっかりとされていれば資産価値が保たれ、購入者に対しての印象も悪くなることはありません。

ここでは、築年数と管理状態が売却に与える影響について説明します。

4-1 築年数が与える売却価格への影響

築5年~10年程度のマンションは新築に近いため、使われている設備のデザインや機能も見劣りすることもなく、人気が高いため売りやすくはなります。

一方、築年数が古いマンションでも、日常の清掃・手入れを怠らず行っていたお部屋は、購入希望者に対しても悪い印象を与えることも少なく、状態に応じた適正な価格で販売を行えばちゃんと売れていくものです。

「うちは古いから売れないよねぇ」と質問されることも多々あるのですが、適正な価格で販売をすることを気を付けていただければ、築年数はあまり気にする必要はないかと思います。

4-2 管理状態の良いマンションは安心感が高い

マンションの管理状態は売却時の重要なポイントです。

大規模修繕工事が定期的に行われ、外壁や設備のメンテナンスが行われているか。エントランスや共用廊下、自転車置場などがしっかりと管理されているかなど、パッと目につく部分の管理状況が良好であれば、購入希望者にも良い印象を与えます。

そして、一昔と違って、管理費や修繕積立金が「安いことがいいこと」の風潮も薄れてきています。

高すぎるのも問題ですが、安いがために適切な維持・管理ができていないようでは、購入後の不安が付きまとい、売却が思うように進まない場合もあります。

管理費や修繕積立金が適正であることが安心感につながり、売却時にプラスに働きます。

5. 設備とリノベーションへの適応性

マンションの設備やリノベーションに対しての適応性も、売却のしやすさに影響します。ここでは、設備とリノベーションへの適応性について考えてみます。

5-1 設備が新しければ売りやすいのは事実

室内の設備が新しければ、売りやすくなるのは事実です。

ですが、新しければそれだけ売却価格にも反映されてしまいますので、一概に新しいのがいいとは言い切れない部分もあります。

一番の悪手は、中途半端なリフォーム履歴です。

「リフォーム履歴もしっかりと売却価格に反映しますっ!」との触れ込みで高額査定価格を提示し、媒介契約を獲ることを目的としている不動産会社もありますが、実際問題としては難しいと思います。

購入する側としては、キッチンや浴室などを10年前にリフォームしてあると言われても響かないでしょう。せいぜい5年以内程度ではないですか?

築年数が古いマンションであれば、古いなりの状態で適正価格で販売すれば買い手は見つかります。「古いから」の考えで不用意にリフォームをしてしまうと、かえって売りにくくなってしまいます。

一括査定サイトを利用した際の高額査定価格と同じように、「自分が買う側だったら、その値段で買うのか?」の感覚は大切にしていただいた方がいいです。

【参照】失敗せずに一括査定サイトを利用するための5つのポイント

5-2 リノベーションへの適応性

築30年を超えてくるようなマンションになると、リノベーションに対しての適応性も大切なポイントになります。

個人の力ではなんともできない、北側の部屋にエアコンを取り付けられるのか。これは結構聞かれます。

時代が違うので致し方ないのですが、築40年を超えたマンションだと、かなりの確率で取付け不可ですね。いっそのこと、スキップフロアのエレベーター非停止階で、北側の部屋がバルコニーに面していて、エアコンスリーブがあるお部屋の方がいいかもしれないです。

あとは、水廻りの配置が悪いお部屋が時々あります。間取りの具体例を出すと問題になりそうなので出しませんが、新築の段階で「なぜこの配置にした?」と思う間取りがあります。

お金をかければなんとかなるのですが、お部屋全体の使い勝手や快適性、漏水リスクなどを考えると、あまりムチャな工事はできないです。

お部屋としての「素地」も、売りやすさにつながるポイントです。

6. 希少性のあるマンションは売りやすい

立地や間取り以外でも、希少性のあるマンションは売りやすくなります。どんな特徴が希少性につながるのか見ていきましょう。

6-1 眺望が良い

眺望はマンションのセールスポイントのひとつです。せっかくマンションに住むのであれば、眺望の良いお部屋に住みたいと思う人も多くいます。

「住んで見慣れてしまえば眺望なんて関係ない」と言う人もいるでしょうが、そこに住んでいる人しか味わえない眺望は希少性につながり、何年たってもお部屋の価値を保ってくれる要素にはなります。

6-2 ヴィンテージマンション

明確な定義が決まっているわけではないのですが、築年数が経過していても管理体制がしっかりとしていたり、立地が良かったり、外観のデザインが良かったりと、資産価値を保っているマンションがあります。

同じような築年数の他のマンションと比べても高い値段で売れる実績もあるため、「買いたい」と思わせる何かがあるのでしょうね。

6-3 最上階や角部屋

最上階は1フロア、角部屋は各階に2部屋しかありませんので、数に限りがあり希少性は高まります。

マンション自体の断熱性によっては夏の暑さが堪える場合もありますが、マンション特有の騒音に関する問題もある程度抑えら、風通しや採光の面でも他の部屋より優れています。

6-4 専有面積の広さ

部屋の広さ=専有面積の広さも希少性につながります。

特に100㎡を超えるお部屋は供給量が絶対的に少ないため、広さを求める購入者、得てして高収入者にとってはかなり魅力的なようです。

多少古くても、多少割高でも、けっこう早く売れていきます。

まとめ

売りやすいマンションの特徴を書いてきました。

買ってしまったあとに自分自身でなんとかできることは少ないですが、ご自身のお部屋の特徴と比べていただき、マンションを売却する際の参考にしてください。

離婚やマンションの売却など、実体験を交えてご相談にのりますので、何かお困りの際にはお気軽にお問い合わせください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

CONTACT
お問い合わせ

離婚時の不動産売却なら
エイチ・コーポレーションへ