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離婚でマンションが売れない!?よくあるトラブルとその対処法

離婚後のマンション売却は、多くの夫婦にとって大きな悩みです。マンションがなかなか売れず、思わぬトラブルに直面することも少なくありません。今回は、離婚後のマンション売却に関するよくあるトラブルとその対処法について詳しく解説します。トラブルを未然に防ぎ、スムーズに売却を進めるためのポイントを押さえましょう。

1. 離婚後のマンション売却が進まない理由

離婚時にマンションの売却が進まないのであれば、まずはその原因を把握し対処する必要があります。離婚時にマンションが売れない原因として考えられるものは主に下記4つです。一つずつ確認していきましょう。

・住宅ローンの完済との兼ね合い
・間取りや内装が個性的すぎる
・売却活動に問題がある
・売り急ぎ感が出すぎている

1-1 住宅ローンの完済との兼ね合い

マンションの購入価格や、購入してからの年数によっては、住宅ローンの返済が思うように進んでおらず、マンションの売却価格だけでは住宅ローンを完済できないようなケースも多くなります。

特に、最近のような新築マンションの価格高騰により、共働き夫婦がぺアローンを利用して購入したような場合にはなおさらです。

このような場合では、売りたくても売れない状態という表現が正しいのでしょう。

1-2 間取りや内装が個性的すぎる

「中古マンションを買って、自分好みにリノベーション」のキャッチコピーに踊らされ、一般的に受け入れられないような間取り(80㎡で1LDKとか、100㎡の2LDKとか)や、個性の強すぎる内装仕上げなどを行ったマンションは買い手を選んでしまうため、売却も難しくなってきます。

1-3 売却活動に問題がある

離婚を進めている夫婦に連携を求めるのもムリな話しではあるのですが、夫婦間の連携が取れていないために、内覧希望のスケジュールを合わせることができない、内覧当日の室内清掃が疎かで、悪印象での見学になってしまっているなど、売却活動に問題があるようでは、売却がスムーズに進む可能性は低くなります。

1-4 売り急ぎ感が出すぎている

購入希望者からの条件交渉に応じるのはいいのですが、売主側から積極的に交渉を持ち掛けるのは逆効果になる場合が増えてきます。

「早く売りたい理由があるのか?」「もう少し待てば、もっといい条件が出てくるのでは?」など、不信感を持たれたり、足元を見られることにつながりかねません。

売りたい気持ちをグッとこらえて、買主との話や交渉は、不動産会社の担当者に任せる方が無難です。

2. マンション売却前に確認しておきたいこと

実際に離婚でマンションを売る前に確認しておきたい事項があります。以下に、4つの事項を紹介します。

・マンションの所有権とローンの名義
・住宅ローンの残債額と査定額の比較
・夫婦2人が売却に同意しているか
・売却時期や方向性

2-1 マンションの所有権とローンの名義

財産としては夫婦の共有財産であるマンションですが、法的な面での所有者が誰なのかの確認は必要です。

どちらか1人(おおむねご主人ですね)なのか、夫婦2人の共有名義なのか。実際にマンションを売却できるのは所有者のみなので、これはまず最初に確認してください。

そして、住宅ローンの借入をしているのが誰なのかの確認も大切です。

マンションの名義と住宅ローンの名義は全くの別物です。単独名義なのか、夫婦の共有名義なのか。共有名義になっていると、場合によっては離婚自体がストップする可能性もあります。

【参照】離婚をする際に共有名義の不動産がおよぼす影響とは

2-2 住宅ローンの残債額と査定額の比較

査定額が住宅ローンの残債額を上回る「アンダーローン」の場合であれば、売却に問題が発生する可能性は少ないでしょう。また、売却資金でローンを完済できない「オーバーローン」の場合でも、足りない部分を自己資金でカバーできるのであれば、この場合も大丈夫でしょう。

一方で、オーバーローンの状態になった際に、自己資金や他の方法でのカバーもできないときには売却ができなくなってしまい、最悪の場合は任意売却を検討することなります。

つまり、住宅ローンの残債額と査定額(+αの資金)を比較した結果で、売却方法が異なってきます。

2-3 夫婦2人が売却に同意しているか

「2-1」でも書いたように、マンションを売却できるのは所有者のにみなります。理屈で考えれば、所有者が売ると決めれば売れるのですが、道義的に考えれば夫婦2人の意見が一致する必要があります。

離婚時のマンション売却では、財産分与や、子どもがいる場合には住み慣れた環境で暮らし続けたいなどの感情も絡んできます。

そういった話し合いをしっかりと行わず、夫婦間の連携が取れていない状態での売却はトラブルにつながる可能性も高くなり、結果として不動産会社の担当者にも伝わり、販売活動に後ろ向きになってしまうことにもつながりかねません。

少しでも売却をスムーズに進めるためには、夫婦間でしっかりと売却に関しての話し合いを行い、意見を一致させておくことが大切です。

2-4 売却時期や方向性

離婚前に売却するのか、離婚後に売却するのか。いつまでに売りたいのかの時期や、値引き交渉が入った際の最終的に受け入れられる金額はいくらまでなのか。

そうった考えや方向性も事前にしっかりと話し合い、一致させておくことも大切です。

3. 離婚時にマンションを売却する対策法

ここでは、離婚時にマンションを売るための対策を見ていきます。

・売却活動は焦らず冷静に
・販売価格はしっかりと考える
・買取も検討してみる

3-1 売却活動は焦らず冷静に

離婚する事を優先するあまり、「マンションが売れれば」と、不必要な値引きや値下げをしないようにしましょう。

売却益をもとにした財産分与は、離婚後の生活を支える大切なお金です。できる限り適正な価格で売却できるように、売却活動は焦らず冷静に進めていきましょう。

内覧時にも、「売れたら離婚するから」とギスギスした雰囲気を出すと、内覧者にもなんとなく伝わってしまいます。少しでも売却の可能性を高めるためにも、穏やかな雰囲気での対応を心掛けるようにしてください。

3-2 販売価格はしっかりと考える

販売価格を決める際には不動産会社の査定額を参考にするのですが、査定額を鵜吞みするのは考えものです。

最近利用者が増えてきている「不動産の一括査定サイト」には、有効な面もありますが、信用しすぎると危ない面もあります。

【参照】閑話休題 失敗せずに一括査定サイトを利用するための5つのポイント

最近では、「不動産相場がわかります」や「マンション取引価格がわかります」と書いて、売出価格や販売価格を掲載しているサイトがあります。パッと見て「こんなに高く売れるんだぁ」と思うような価格が出てきますが、騙されないでください。

不動産にはいろいろな価格があり、マンションの売却において一番大切な価格は「成約価格」です。
あの手この手で媒介契約を獲りにくる不動産会社が増えてきていますので、安易に信用せず、複数の不動産会社から話しを聞いてしっかりと考えるようにしてください。

 相場価格 今のタイミングで販売に出して「売れるであろう価格」です。

 査定価格 「3か月ぐらいの販売期間で売れるのでは」と想定した価格で、相場価格とほぼ同価格です。一括査定サイトなどを利用した際には、売主と他社の様子を伺いながら価格を変更する不動産会社も多いようです。

 売出価格 実際に売却をスタートした時点での販売価格。購入希望者が最初に目にする金額となり、物件の第一印象を決める価格です。

 販売価格 今現在での販売中の価格。

 成約価格 「実際に売れた金額」のこと。査定価格と成約価格の金額差が少ないほど、査定した不動産会社が優秀と言えます。本来、売主が一番知りたい価格で、査定価格よりも気にしなければならない価格ですが、なかなか世間一般の方の目に触れることはありません。

3-3 買取も検討してみる

マンションを少しでも高く売却しようと考えるなら、自宅としての購入を考えている人を探して買ってもらう「仲介」がベストです。

ですが、思ったように売却が進まないようであれば、離婚のストレスを抱えながら長期の売却活動を続けるよりも、「買取」を選択した方がいい場合もあります。

買取は、売却活動がなく現金化するまでの期間が短いため、離婚にともなって売却を早く進めたい場合にはオススメです。

【参照】離婚の売却での仲介と買取の選び方のポイント

4. マンションの売却を早めるコツ

マンションを売るための対策の次は、マンションをできるだけ早く売却する方法です。

・売却中は土日の予定に余裕を持つ
・高値チャレンジはしない
・内覧対応をしっかりと

4-1 売却中は土日の予定に余裕を持つ

内覧の希望は土日を中心に入ることが多くあります。マンションを売却するには、まずは内見してもらう機会を増やすことが大切です。

「縁があったら」と言われますが、マンションの売却には「縁」が重要です。「今週は予定が入っているので来週では」となってしまうと、この縁を切ってしまうことになってしまい、売却期間が長引いてしまうことにもつながりかねません。

離婚後の新居の準備などもあって土日のスケジュールも詰まってしまいがちですが、売却活動中の土日のスケジュールには極力余裕を持ち、内覧への対応ができるように心がけてください。

4-2 高値チャレンジはしない

通常の住替えや、資産処分などでの売却であれば、「ひょっとしたら売れるかも」の高値チャレンジをしてみるのもいいのですが、チャレンジに失敗した場合には、結果的に売却できずに売却期間が長くなることにつながる可能性も高くなります。

マンションの売却では、売り出しをスタートしたら極力早く売却することが目標で、特に離婚が絡むような場合にはより一層早く売却することを目指すべきでしょう。

4-3 内覧対応をしっかりと

離婚の話しを進めていると、どうしてもお互いの気持ちがギスギスし、気持ちに余裕が無くなってきます。

「どうせ売るんだし」の気持ちも出てくることで、部屋の掃除も面倒くさくなってしまいがちです。

そんな状態で内覧者に見てもらっても、お部屋にいい印象を持ってもらうことはできません。お部屋の第一印象を決める玄関や、生活感が出やすい水廻りなどは、内覧の前にはちゃんと掃除をするようにしましょう。

「離婚するんだから」ではなく、「離婚するために」と考えて、内覧者にいい印象を持ってもらえるように心がけるようにしましょう。

まとめ

離婚の時のマンションが売れない原因には、売却に対しての夫婦間の意見の食い違いや方向性の違い、住宅ローンの問題などがあります。

離婚にともない色々なストレスがある状態でのマンション売却ですが、適切な方法で売却をして財産分与を行うことで、離婚後の生活をスッキリとした気持ちでスタートさせることができます。

「離婚をしようかな」「離婚したい」などの離婚の悩みやご相談、マンションの売却のご相談などはお気軽にお問い合わせください。経験談を交えながら、お手伝いをさせていただきます。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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