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離婚後の住み替え事情と費用:知っておきたい重要ポイント

離婚をすることで家族構成や経済状況が変わり、今までの生活環境をリセットする必要が生じることで、離婚を機に住み替えを検討する人は少なくありません。今回は、離婚を理由とする住み替えに伴うお金の問題や、理想的な物件選びのコツについて解説していきますので、離婚を機に住み替えを検討する際にはぜひ参考にしてください。

1. 離婚を理由に住み替える人は多いのか?

不動産の仕事をしていると「一生に一度の買い物だから慎重に…」なんて言葉を聞くことは頻繁にあります。

ですが、マンション・戸建て問わず、世の中で中古物件が多数販売されているということは、「一生に一度の買い物」ではなかった人が多くいることにつながるのではないでしょうか。

そこでまず最初に、どのような理由で住み替える人が多いのかを見ていきましょう。

1-1. 離婚を含む「独立」は3位

国土交通省の住宅局が公開している「平成30年 住生活総合調査結果」の63ページに記載されている住み替え理由の上位5位は以下になります。
第1位通勤・通学の利便35.1%
第2位広さや部屋数21.4%
第3位世帯からの独立(単身赴任、離婚などを含む)18.2%
第4位新しさ・キレイさ16.2%
第5位結婚による独立14.1%


「離婚」を単独で扱った順位ではありませんが、3番目の『独立』には離婚による独立も含まれているため、思いのほか離婚を理由とした住み替え件数は多いと言えるのではないでしょうか。

1-2. 離婚後に住み替える理由とは

離婚を理由に住み替える理由としては「財産分与」のためが1番ではないでしょうか。

住宅ローンの残債の有無に関わらず、家は夫婦にとって一番大きな共有財産になるはずです。

離婚後も夫婦のどちらかが住み続けるケースもあるでしょうが、住み続けることで発生するメリット・デメリットが色々あります。【参照】住宅ローンが残った家に離婚後も妻が住むための方法は

離婚する結論に至った夫婦が築いてきた共有財産は、離婚を機にキレイに財産分与をすることが将来に禍根を残すことがなく、1番のおススメです。

そのため、離婚を機に自宅を売却することで住まいが無くなり、結果として住み替える人が増えることにつながるのではないでしょうか。(賃貸住まいの夫婦でもどちらか一方は出て行くでしょうから、ある意味では住み替えに該当するんでしょうかね)

1-3. 離婚後の心理的・実務的な理由

自宅の売却という理由以外にも、住み替えに至る理由はあります。

 居住環境のリセット 離婚してからも以前に住んでいた家に住み続けることで、過去の思い出などが心理的に負担になることがあります。新しい生活のスタートを切るためにも、環境をリセットするために住み替えを選ぶ人も多くいます。

 経済的な理由 離婚後の生活費や家計が変わるため、以前の家の維持が難しくなることもあります。住宅ローンや賃貸の家賃の負担を軽減するため、より経済的な住まいに移るケースも多く見受けられます。

 家族構成の変化 離婚をすることで、当然ですが家族構成が変わります。そのため、今までの家では広さや間取りが合わなくなることもあります。子どもと一緒に暮らすのか、逆に一人暮らしになるような場合など、それぞれの状況に適した物件に住み替えることもあるでしょう。


2. 離婚後の住み替えにかかるお金の考え方

ここでは、実際に住み替えをする際に必要になってくるお金のことを考えていきましょう。

2-1. 住宅ローンの精算や残債処理

離婚時に住宅ローンが残っている場合、夫婦でどのように精算するかが課題となります。家を売却してローンを完済するか、どちらかが引き続きローンを支払いながら住み続けるか、慎重に話し合う必要があります。

お子さんがいる場合に「今までの環境を変えたくないから」と、ローンを支払いながら住み続けることを希望される方もいますが、基本的にはオススメできません。夫婦なら大丈夫だろうとの予測で組んだ住宅ローンを、離婚後に1人で払い続けるのはかなり難しいと思います。

「(住宅ローンの残債)>(自宅の売却額)」のようなオーバーローンの状態であればなおさらです。離婚前で夫婦そろって相談できる状態の時に精算する方法を考え、離婚後には問題を持ち越さないようにすることが、離婚後の新生活をスッキリとスタートさせるために必要です。【参照】離婚に伴う家の売却とローン残債問題の対処法

2-2. 住み替え費用の内訳と計画の立て方

離婚の話しをツメながら自宅の売却も考え、さらに離婚後の住まいとして「分譲」の物件を探す。そんな強者はなかなかいないでしょう。

おそらく、大部分の方は離婚後の住まいとしては賃貸を選択すると思います。

新しい住まいとして賃貸物件を探す際には、敷金・礼金、引っ越し費用、仲介手数料などが必要になります。これらの費用は意外と大きな負担になるため、事前に資金計画を立てておくことが大切です。

男性側はおおむね1人暮らしになるでしょう。なので、家賃の安いいボロアパートを探すなり、適当に自分で考えてください。

女性も1人暮らしであれば結構簡単に考えられると思うのですが、子どもを引きとるとなると色々と考えなければいけません。

民間の賃貸に住むのか。県営や市営のような団地に住むのか。子どもの学校の事や、自分の勤め先との距離なども考えると、選択肢としては民間の方が選びやすいのではと思います。

子ども2人との3人暮らしだと、最低でも2DKは欲しいところ。できれば3DKですかね。家賃は無理をせずに6~8万ぐらいまでになるのかと。この家賃でざっと計算をしていくと

 敷金 最近は敷金の名目ではなく「敷引き」で請求されるみたいですね。家賃の2か月分とか一律10万とか。退去時には返還しない前提のお金ですよね。人の足元見たあくどい商売で腹立ちます。

 仲介手数料 家賃の1ヶ月分が目安です。ちらほらと0.5ヶ月分を謳っている会社もありますね。ですが、そんな会社は仲介手数料が安いぶん他でカバーしていると考えると、結局は1ヶ月分は取られるのではないでしょうか。

 火災保険 万が一を考えて加入が義務付けられている物件がほとんどでは。2年で2万前後の保険料ですかね。高いですよね。大事な賃貸不動産屋さんの収入源です。いくらバックもらってんだろ。

 保証会社利用料 住宅ローンを利用する時にも保証会社に保証料を払うので必要なのかもしれませんが、なんか納得できないです。今はどれぐらい取られるんですか?最初に家賃の50%。更新時に1万ぐらいですか?計算するとメチャクチャ高いと思うんですが。

 鍵交換代 「前の入居者が使っていたカギです」って脅し文句で交換させるヤツですね。たいしたカギではないでしょうが、2万前後の請求みたいです。その気になればたいてい自分でもできますよ。


これら以外にも、不動産会社や物件によっては別に必要な項目もあるでしょうし、引っ越し代も合わせると50万・60万ぐらいのお金は余分に用意しておかないといけない計算になります。

財産分与はキッチリと、と考えるのも大切ですが、ここはやはり男性側が譲歩して余分に分けてあげるのがいいのではないかと個人的には思います。

2-3. 公的支援制度を調べてみる

自治体によっては1人親世帯に対しての支援制度があります。18歳未満のお子さんと一緒に暮らす場合にはかなり役立つ制度もあるのではないでしょうか。

使えるものはしっかりと使っていただき、少しでも離婚後の生活が安定するように頑張ってください。

3. ライフスタイルに合った物件選び

離婚後の生活がどのようになるかを考慮して物件を選ぶことが大切です。通勤や子どもの学校、保育園のアクセスを考え、生活にストレスがかからない場所を選びましょう。

3-1. トータルで生活費を抑えられる住まい

離婚後の家計は以前よりも厳しくなる可能性があるため、生活費を抑えられる物件を選ぶことがポイントです。家賃だけでなく、光熱費や通勤・通学費用なども考慮して総合的なコストを見積もる必要があります。

 光熱費 暑さ寒さに対しての感じ方は個人差がありますが、家の断熱性によっても体感温度は変わってきます。

最近建ったアパートは多少性能が良くなっているかもしれませんが、やはり木造や軽量鉄骨のアパートは断熱性能が劣る物件が多いため、冷暖房費は余分にかかってくると思います。

家賃は多少高くはなりますが、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションを選んだ方が、断熱性能や上下左右の生活音の響き方などを考えてもおススメです。

 階数 エレベーターのある物件であれば4・5階ぐらいが。エレベーターがない場合でも3階がおススメです。

1階、2階は防犯面の不安がありますし、風通しの良いお部屋も少ないと思います。光熱費だけの問題ではなく、やはり風通しのいいお部屋は住んでいても快適度が高いと思います。

 公共交通機関 名古屋であれば地下鉄駅まで10分圏内ぐらいが人気になってきます。ですが、その分家賃も高くなってしまいます。

自転車を使うことを前提に考えてみるとか、案外市バスの経路を調べてみると便利な立地もあります。

「雨の日がだるい」と言わずに探してみると、お値打ちな部屋が見つかるかもです。

3-2. 生活に便利な立地の選び方

車を所有することを前提とするかどうかで見方が変わってきます。

車を所有するのであれば、駅までの距離もある程度は遠くてもいいでしょう。その分家賃も安くなります。車を所有しないのであれば、駅までは20分ぐらいまでの場所がいいと思います。20分を超えると、通勤・通学がかなりツラくなります。

イオンのようなショッピングモールがあれば理想ですが、徒歩15分~20分圏内にスーパーとドラッグストアが揃っていれば日常生活に困ることもないでしょう。

コンビニは便利ですが、すべてが高いので、近くにない方がお金は貯まります。

お子さんが小学生とか小さい場合には内科が近くにあると安心ですね。

3-3. 子どもがいる場合の物件選びのポイント

年齢、性別にもよりますが、小中学校が近いと安心です。近くない場合でも、大通りを渡る通学路は避けた方が無難かと。

オートロックもあるに越したことはないですね。

通学を考えると駅に近い方がいいのでしょうが、駅周辺の雰囲気によっては微妙になってきます。駅からの帰り道が繁華街を通るようでしたら、遅い時間にはむしろ注意が必要になってきます。

大人の目線と子どもの目線は違うので、しっかりと相談してみるといいと思います。

4. 将来を見据えた住まい選び

離婚直後は急いで住み替えを決断することもありますが、できるだけ将来を見据えた選択をすることが大切です。特に、子どもの成長や自分自身のライフプランを考慮した物件選びが必要です。

4-1. 家族構成や収入の変化を予想する

離婚直後にすぐに再婚することを考えることはないと思いますが、再婚の可能性はどうでしょう?

可能性がゼロではないのであれば、再度の引っ越しのための費用や手間を考えると、事前にプラス1の広さのお部屋を考えてみてもいいかもしれないです。

収入面でも、今は非正規で不安定でも、数年後に正社員になれる見込みがあるのでしたら、少しの間だけ無理をせずに家賃の安い部屋で我慢をしておくのもいいと思います。

専門職でスキルアップが狙えるのでしたら、むしろ今は我慢をして、収入がアップした時に分譲を購入することもできるかもしれません。

離婚でバタバタし、ゆっくりと考える時間がないかもしれませんが、将来の事を考える時間を作ることも大切だと思います。

4-2. 離婚後の再購入はありなのか

離婚の有無に関わらず、賃貸か購入かは意見の分かれるところです。

個人的には、前述「2-2. 住み替え費用の内訳と計画の立て方」で書いたように、賃貸に住み続けることで発生するランニングコストを払うのがイヤなので購入一択の考えです。

仕事をしていて感じることは「シングルマザーは買う人が多い」です。でも、男性のお一人様は買わない人が多いです。

理由として思うのが、女性はやっぱりお母さんで、「私に何かあった時にこの子が住む場所を作っておきたい」って考えてる人が多いんです。母は強しです。

そして、決してムリをしないです。自分の収入で買えるのはこれかな?と、結構的確に判断して購入されています。

「自分に何かあった時には」の可能性はとても低いと思うのですが、購入しておくことで自分自身の将来にも安心できるのではと思います。

まとめ

今回は、離婚を理由とする住み替えに伴うお金の問題や、理想的な物件選びのコツについて解説してきました。

いろいろな事を同時並行で処理していかなければならない離婚ですが、売却や住み替えに関してお悩みの際にはお気軽にお問い合わせください。実体験を交えてのお手伝いをさせていただきます。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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