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離婚時の不動産売却: 成功へ続く道

離婚を思い立ち、実際に成立させるまでの道のりには辛く苦しいことが続きますが、不動産の売却がスムーズに進むことで新たな始まりに向けた一歩を踏み出せます。このブログでは、離婚時に不動産の売却を成功に導くまでの成功ストーリーを紹介し、貴重なヒントを提供します。

1. 準備段階

さまざまな事情から離婚を思い立ち、実際に相手方に気持ちを伝え、夫婦の共有財産である不動産の売却を成功に導くためにはどのような準備が必要なのでしょうか。

1-1 離婚するための合意条件の取り決め

自分自身の実体験や、離婚を経験した多くの方からお話しを聞いてみると、スムーズな離婚に至るための一番大きな条件は「財産分与の条件をどのように取り決めることができるか」だと思います。

極端な話し、お金の話がキレイにまとまれば、離婚問題は9割がた解決です。

換金性が高く、比較的身近な財産である車や貴金属、預貯金、ブランド品などの価値はおおよそ把握できると思いますが、不動産の価値に関しては一般の方ではなかなか判断がつかないのではないでしょうか。

そのため、財産分与をスムーズに終わらせるためには不動産の価値を正確に把握することがファーストステップであり、最も大切なことといえます。

1-2 不動産の価値を知るための査定を依頼する

不動産の価値、言い換えれば「不動産の相場」を知るためには、不動産会社に連絡をして「査定」をしてもらうのが手っ取り早く正確です。

大手不動産会社、地域の不動産会社の中から3~5社程度をご自身でピックアップして直接連絡するのも一つの方法ですし、ネットの「一括査定サイト」を利用して申し込むのもいいでしょう。

マンション・戸建て・土地などの不動産の種類によって不動産会社ごとの得手・不得手があるため、大手不動産会社だけ、地域の不動産会社だけでの査定ではなく、双方を取り混ぜて査定を依頼する方が良い結果につながると思います。

また、サイトの特性上、一括査定サイトを利用しての査定では相場よりも高めの査定価格を提示するケースが見受けられます。他社に比べて著しく高い(10%がボーダー。15%を超えてくるとかなり怪しいです)査定金額を提示する不動産会社には注意をしてください。

2. 相場を調査し売り出し価格を決定する

不動産会社の査定価格をそのまま信じてしまっていいのでしょうか?財産分与をスムーズに終わらせるためには適切な売り出し価格を設定する必要があります。どうやって調べればいいのでしょうか?

2-1 地域の不動産相場を確認・把握する

一般の方が地域の不動産相場を調べる一番簡単な方法は、インターネットを使ってスーモやアットホームなどのポータルサイトを見てみることです。

ポータルサイトに載っている情報はあくまでも「販売中」の価格のため、実際に売却された「成約価格」とは異なりますが、販売をスタートした際に競合物件となる物件の販売価格は把握しておく必要があります。

競合物件の販売価格を確認・把握したうえで不動産会社の査定価格と見比べると、前述の「怪しい」査定価格を排除することも可能になってきます。

2-2 競合物件の分析

価格の確認・把握ができたら、つぎは競合物件の販売状況の確認です。

ここでいう販売状況とは、内覧があるのかないのか。あるのであれば何組ぐらいが内覧したのかということではなく、いつ頃から販売をスタートし、今までに値下げをしたことがあるのかどうかということです。

世の中には少しでも高く売りたいがために、ゆっくりと時間をかけて売却をする売主もいます。そんな「この値段で売れたらいいなぁ」の競合物件の価格にあわせて販売をスタートしてしまうと大変です。

不動産といっても鮮度は大切です。初めて世の中にお披露目する「初売り出し」のタイミングが一番世間の注目を集めます。

「売りたい価格」と「売れる価格」は別物です。スムーズな離婚、スムーズな財産分与のためには、スムーズな売却が必要です。

「売れる価格」で販売をスタートさせるために、競合物件の販売開始時期や値下げの有無は大切な判断材料です。

こちらの事情を鑑みず、ただ媒介契約を取りたいがために高い査定価格を提示するような不動産会社とは早々に連絡を絶った方が安全です。

3. ステージングとマーケティング

スムーズな不動産売却の一番の方法は「安くする」ことです。

ですが、スムーズな財産分与のためには少しでも高く売りたいのが本音です。どんな方法があるのでしょうか。

3-1 室内を魅力的に演出する

最近流行っているのが「ホームステージング」です。

荷物を全て運び出し、お部屋の雰囲気に合わせたダイニングセットやソファセットなどを配置することで、内覧者に購入後の生活をイメージさせやすくする方法です。

イメージはよくなるのですが、売主としては問題が発生します。

1. 離婚も成立していないのに引越しをしなければならない
2. 15万~20万程度の費用が発生する

離婚後のお互いの新生活のためにもお金は少しでも手元に残しておきたいものです。売却のためには有効な手段であるホームステージングですが、離婚に伴う不動産売却の場面でいきなり利用するのはハードルが高いです。

そのため、まずは

1. 引越しの準備もかねて不要な家具や荷物の処分をする
2. キッチンや浴室などの水廻りをチョット念入りに掃除してみる
3. 天気のいい日にカーテンを洗濯してみる(柔軟剤を多めにいれてフワッと香るようにしてみても)
4. 照明器具のカバーを拭く
5. 時間があればフローリングを水拭きしてみる

このようなことをして、内覧者に「なんかイイ感じのお部屋ね」と思ってもらえるようなことをしてみてください。(離婚協議中になかなか難しいとは思いますが、無心になれる「作業」をしてみるのも気分転換になりますよ)

3-2 適切な広告戦略を考える

不動産広告の主流はインターネットになってきています。さまざまなポータルサイトに広告を掲載してもらうのは必要なのですが、ポータルサイトごとに閲覧者の傾向がある気がしています。

物件の種類、価格、エリア等々の違いによって、閲覧数の伸びや問い合わせの数が変化するような感じです。

当然ですが、何も考えず「載せておけばいいのでは」と考える不動産会社の担当者もいます。機会があったら一度聞いてみるのもいいかもしれません。

そして、昔も今も変わらず侮れないのがチラシです。新聞を取っている家庭が激減しているため、昔ながらの新聞折り込みではなくポスティングになるのですが、思いのほか反響があります。

ポスティングに関しての注意点は、「弊社は月間〇万枚のポスティングをしていますっ!」という言葉をセールストークにする会社があります。

確かに枚数も大切なのですが、ポスティングにおいて大切なのは「どこにポスティングをするか」です。枚数を誇る会社のポスティングは、往々にして売却物件を獲得するための「売りチラシ」です。

ということは、ポスティングをするのは一戸建てや分譲マンションです。そして、売り物件の欲しいエリアにポスティングをします。

そんなチラシの裏面におまけ程度に印刷してポスティングをしても反応がでるとは思えないのですが…。事実、名古屋市の名東区で緑区の物件のポスティングを見たこともあります。

ポスティングの枚数を誇る会社には注意してください。

4. 交渉

内覧が入り、購入に対しての申込があった際には、往々にして「交渉」があるものです。どのように対応するといいのでしょう。

4-1 買い手との交渉ポイント

住宅ローンの残債の有無や、販売を開始してからの経過期間。今までに値下げをしたのかどうかなど、さまざまな条件によって交渉のポイントが変わってきます。

スムーズな離婚のためには、あまり欲張らず、売れる条件で売ってしまうのが得策と思います。

・値下げの交渉が入ったのであれば、住宅ローンの残債以上の金額であれば受け入れる
・引き渡しまでの日数も、ご自身たちの引っ越しとの兼ね合いが取れるのであれば受け入れる
・エアコンを付けておいてほしい、カーテンを残してほしい。それで買ってくれるなら付けてあげましょう

一番大切なのは、財産分与をしたあとに手元にいくら残るのかです。事前にどこまでなら交渉の余地を持つことができるのかを考えておくことも大切です。

5. 契約後の手続き

契約が終わったら引き渡しまでに行うことを確認しておきましょう。

5-1 銀行への連絡

住宅ローンを完済していれば不要ですが、残っている場合には銀行への連絡が必要です。

1. 売却が決まったので抹消の書類を準備してほしい
2. 引き渡し日が〇月〇日なので、全部繰り上げの手続きをしたい

上記の2点が銀行での手続きになります。

法務局での抹消の手続きや所有権変更の手続きは司法書士に依頼することになります。司法書士の知り合いがいない場合は不動産会社から紹介してもらえますので心配は不要です。

5-2 財産分与の額の決定

不動産の売却の目途が立ったら、いよいよ財産分与も大詰めです。

二分の一の割合が基本ですが、当事者同士が納得できればどのような割合でも大丈夫です。お互いが気持ちよく新生活をスタートできるように、あと腐れない内容での財産分与を行ってください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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