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マンションはリフォームより住み替えの方が快適でお得!その理由とは

住み慣れたマンションにこの先も住み続けるべきか、それとも思い切って住み替えるべきか…。悩む人も多くいませんか。リフォームの方がお手軽に感じるとは思いますが、実は住み替えの方が快適性もコスパも優れているケースが多いのです。今回は、住み替えを選んだほうがよい具体的な理由と、後悔しない選択のヒントをわかりやすく解説します。

1. まずはざっくりとリフォームの説明を

リフォームと一口に言っても色々な内容があり、必要になる予算も当然ですが異なってきます。

まずは、「松・竹・梅」の3つのランクに分けて、大まかな工事の内容とざっくりと予算を把握していきましょう。

1-1 梅コース(200万~)

いちばんお手軽の「梅」です。

「古くなってきたから新しくしたいなぁ」の人むけの、「とにかく新しくなればいい」「できる限り安く」の考え方で水廻りの設備機器を取り換えるコースです。

「キレイでステキな賃貸のお部屋」をイメージしていただくといいかと。

・キッチン:一応システムキッチン。「引き出し式」ってだけのタイプ
・浴室:これも一応はユニットバス。「保温浴槽」「浴暖」は無しです。
・洗面台:3面鏡タイプにはしておきましょう
・トイレ:ウォシュレットは一体式ではなくシートタイプ

トイレと洗面の床・壁ぐらいはキレイにできるかと思います。

キッチンを取り換えるので、できればLDKのフローリングも張替えたいところですが、予算的にも工程的にもちょっと難しいですね。

リフォームというよりも「リプレイス」です。

1-2 竹コース(500万~)

せっかくリフォームするのであれば、今までの設備機器よりも「いいもの」「使いやすいもの」を選択してみましょう。

・キッチン:「使い勝手の良い」引き出し式のシステムキッチン。ご希望でしたら食洗機付きも可能です
・浴室:お湯の冷めにくい「保温浴槽」や「浴暖」も取り付けましょう
・洗面台:同じ3面鏡タイプでも、見栄えにこだわった洗面台に
・トイレ:タンク一体式のウォシュレット。掃除もラクになりますよ


フローリングのグレードによっては全室張り替えることも可能になってきます。できれば、もうちょっと予算を追加して「ワックスフリー」のフローリングを張りたいですね。

「畳⇒フローリング」も仕上げ方しだいでは視野に入ってきます。

工事が終わってからの満足感はけっこう高めになります。

1-3 松コース(800万~)

スケルトンにしてからのフルリノベのコースです。

間取り変更もできるので、工事完了後の満足感はバッチリです。

1-4 どんな理由でリフォームするのか

リフォームを思い立った理由は人それぞれですが、あなたの場合はどうですか?

「梅」コース的な理由であれば、迷うことなくリフォームをしてください。

「竹」や「松」でのお考えでしたら、この先を読んでください。

2. リフォームをしてもマンションとしての価値は上がらない

「梅コース」のリフォームでも、キッチンや浴室が新しくキレイになれば毎日を気持ちよく暮らすことができますし、「リフォームをして失敗した」ような状態には滅多なことではならないので、安心していただければと思います。

そして、所有者としての満足感も上がり、「マンションの価値が上がった」と思うかもしれません。

永住するのであれば気にする必要はないのですが、リフォームをして数年が経った時に「売却」を考えた場合、思った以上に売却査定が上がることはありません。

仮に「竹コース」で500万の予算をかけてリフォームをしたとしても、そのマンションの価値が500万分上がるわけではありません。

たとえば、築30年で1,500万と査定されたマンションに500万かけてリフォームしていたとして、その数年後に売却査定をしてもせいぜい100万、よくて200万上がる程度です。

所有者としては「まだまだこんなに新しくてキレイなのに」と思うかもしれませんが、購入者からしてみれば「ただの中古」です。

「これだけお金をかけてリフォームしたんだから」は、所有者としての自己満足。売却の際には正当に評価されることはないと覚えておいてください。

3. リフォームの限界値は低く、決して安くはない

リフォームにはある程度の自由がききますが、リフォームならではの制約もあり、リフォームできる範囲には限界があることを理解しておく必要があります。

3-1 住みながらできるのは

「住みながら家をキレイにできる」のがリフォームと思われがちですが、前述した「松竹梅」コースの中で住みながら工事ができるのは「梅」コースぐらいまでです。

梅コースであれば

・トイレの取替えは2~3時間程度。床・壁も工事するなら丁寧に段取りをして半日~1日
・洗面台の取替えも2~3時間程度。床・壁に関してもトイレと同じ感じです。
・浴室は、解体と設備工事で1日。組み立てで1日なので、1日は銭湯やサウナなどの利用が必要
・キッチンも同じく、解体・設備工事で1日。組み立てで1日なので、外食などの利用が必要に

全部を終わらせるのに1週間程度の工期は必要になり、工事中のお留守番をする人も必要になります。

スケルトンにする松コースはもちろんですが、竹コースでも住みながらではムリですね。仮住まいをしてもらう必要がでてきます。

3-2 仮住まいの費用

「じゃあ、仮住まいすればいいんでしょ」と思うかもしれませんが、仮住まいって実はかなり難しい作業です。

まず第1に、2~3ヶ月程度の短期で借りることができる賃貸を探すのが難しいです。見つけられずにマンスリーマンションを借りる人もけっこういます。

貸す側の大家としては「なんでこの人は短期で借りたいんだろ?」と不審に思うみたいです。事情を説明して短期で借りられたとしても、敷金(敷引き)を多めに取られたりもするみたいです。

部屋が見つかったとしても、荷物を全部運び込むことができるだけの広さがあるのかも問題です。賃貸の部屋って分譲に比べると狭いですからね。荷物が納まりきらずに追加でトランクルームを借りる人もいるようです。

賃貸の仲介手数料も必要です。

そして、引越しは2回です。

仮に、家賃12万ぐらいのお部屋が借りられたとして、ざっくりの必要経費が
家賃3ヶ月分12万×3=36万
敷金2ヶ月分24万
仲介手数料12万
引っ越し代2回分20万×2回=40万
合 計112万
このように、なかなかパンチのある金額になってしまいます。


4. 住み替えならではのメリット

リフォームでは手に入らない「住環境の改善」も、住み替えの大きな魅力です。立地や利便性、子育て環境など、生活全体の質を高める要素が手に入ります。

4-1 共用部の設備を選べる

オートロックや宅配ボックス、その他の共用施設の有無を選択することもできます。

ペットが飼いたいのにマンションがペット不可だった場合、ペットが飼えるマンションに住み替えることもできます。

4-2 部屋の広さを変えられる

子どもが生まれた、もしくは独立して夫婦2人の暮らしに戻ったなど、家族の人数が変わったことで必要になる部屋の広さも変わってきます。

リフォームで部屋の数を増減することはできますが、絶対的な広さを変えることはできません。

家族構成の変化に応じて部屋の広さを変えることができるのも住み替えのメリットの1つです。

4-3 住環境を変えられる

子どもがいる時には、学校や公園が近くにあるマンション。夫婦2人になってからは、スーパーやドラッグストアなどの買い物施設や病院などの公共施設の有無など。

年代に応じて必要な住環境を選ぶことができるのも住み替えのメリットです。

5. 住み替えならではのデメリット

メリットだけでなく、住み替えのデメリットも見ていきましょう。

5-1 購入時の諸費用

仮住まい用の賃貸と比べれば高額になる購入時の仲介手数料や登記費用。銀行から借り入れをする場合の保証料など。リフォームと比べれば諸費用が高額になってしまうのはデメリットです。

5-2 総額が高額になる

諸費用が高額になるだけではなく、マンションを住み替えるのであれば購入費用も必要になってきます。

今のマンションの住宅ローンを完済していればいいのですが、住宅ローンが残っている場合には借入の方法を検討する必要があります。

【参照】マンションの売却で失敗しない!住み替えローンとダブルローンの選び方

5-3 売れなかった時の不安

ダブルローンを使って住み替えた場合に、売れると想定していた期間を過ぎても売れなかった場合の精神的なストレスもデメリットです。

残債の額にもよりますが、少しでも高く売りたいのであれば「仲介」で粘るのが1番です。

売れなかった場合のストレスを抱えたくないのであれば「買取」での売却を検討していただくのがいいかと。

どちらを選ぶのがベターなのかはケースバイケースになるので、お気軽にご相談ください。

【参照】マンション買取のメリット・デメリット

【参照】売却での仲介と買取の選び方のポイント

6. リフォームと住み替えどっちがおススメなのか

金銭面だけでなく、家に対しての考え方でもリフォームと住み替えをおススメするポイントが変わってくると思います。

6-1 「慣れ」を重視するならリフォーム

「住み慣れた環境」で暮らし続けることを重視する人にはリフォームの方がおススメかと思います。

ご近所さんとのお付き合いや買い物をするスーパーなど。今までの暮らしをこの先も続けることが自分にとっての幸せと思うようでしたら、金銭面での損得を考えずにリフォームを選択していただいた方がいいと思います。

6-2 「変化」を求めるのなら住み替えを

賃貸暮らしを続けている人で、更新の度に引越しをするような人って時々聞きませんか?

引っ越し代や仲介手数料がもったいないような気もしますが、新しい環境で暮らすことで自分にとっての刺激を求めてるのかなぁと思う部分もありますし、楽しそうだなぁと思う部分もあります。

せっかくの人生ですから、人生の節目で「変化」を求めてみてもいいのかと思います。

7. そもそも家は「一生に一度の買い物」なのか

「一生に一度の大きな買い物だから」…よく聞く言葉です。でも、一生に一度の買い物だなんて誰が決めたんですかね?

7-1 「1回」にこだわると選択肢が狭くなる

むやみやたらに買い替える必要はないのですが、「1回」にこだわりすぎると選択肢が狭くなり、家を買うことを躊躇してしまうような気がします。

「この先の一生を住む家だから、しっかりとした家を買わなければ」と頭でっかちに考えてしまって、ムリして高い家を買ってしまったり、「どんな場所に住んだらいいのか」と考えすぎて、決め切れられずに買えなかったり。

家を買うことが人生の目的ではなく、買った家でどんな人生を送るのかが大事なのではないでしょうか。

7-2 理想は3回。できれば2回は買いたい

「家は3回建てないと理想の家を建てられない」って言葉を聞いたことありませんか?

建てるのはムリにしても、人生で3回は住み替えをしたいなと思っています。(賃貸での暮らしはべつです)

独身もしくは夫婦2人。子どもができてからの家族での暮らし。子どもが独立しての2回目の夫婦2人暮らし。

この3つのステージでは、それぞれ家に対して求めるものが違ってくるはずなんです。

1つ1つのステージで、ムリをせず、見栄を張らず、身分相応の家を買うようにすれば、なんとかなるような気がするんですけどね。みなさんはどう思いますか?

まとめ

リノベ済のマンションの販売に入っていると、同じマンションの住人さんが冷やかしに来ることも多々あります。

「自宅のリフォームの参考に…」と言われるたびに、「住みながらではムリですからねぇ」と伝えています。みなさんリフォームを体験したことがないからナメてるんですよね。仮住まいのことなんて考えてもいないですし。

リフォームを考えているのであれば、「今の部屋の下取り+予定しているリフォームの予算+仮住まい費用」を計算すれば、このお部屋を買うのが手っ取り早いですよって教えてあげてるんですが、なかななピンとこないようです。僕の説明の仕方が悪いのかもしれませんが。

家を買ったことがない人が家を買うことに躊躇するように、住み替えをしたことがない人は住み替えに躊躇するんでしょうね。

リフォームをするにしても住み替えるにしても、どこかのタイミングでキレイな家に住めるようにしていただければと思います。

不動産の売買だけでなくリフォームに関してのご相談も大丈夫ですので、興味がある方はお気軽にお問い合わせください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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