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離婚の原因「お金」のリアルな話:夫婦がハマりやすい罠とは?

よもや今の時代に「愛さえあればお金なんて」などと甘い考えをお持ちの方はいないかと思いますが、実際に離婚の原因としてもよく挙がるのが「お金」の問題です。家計管理の不一致や浪費癖など、お金に関するトラブルは夫婦関係に深刻な影響を及ぼします。今回は、仕事やプライベートでの体験をもとに、夫婦のお金の問題を考えていきます。

1. まずは一般的な離婚原因から

実際の離婚原因のランキングの参考として、裁判所が毎年発表している司法統計の「婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 」の令和2年版によると、離婚原因として多いものは次の表のとおりです。
男性女性
1位性格が合わない性格が合わない
2位精神的に虐待する生活費を渡さない
3位異性関係精神的に虐待する
4位家族親族と折り合いが悪い暴力を振るう
5位浪費する異性関係
6位性的不調和浪費する
7位暴力を振るう家族を捨てて省みない
8位同居に応じない性的不調和
9位家族を捨てて省みない家族親族と折り合いが悪い
10位生活費を渡さない酒を飲み過ぎる

「性格が合わない」という理由が男女ともに1位なのは、相変わらずの定番です。

ですが、「生活費を渡さない」や「浪費する」といった、お金に関しての理由も男女ともに挙げられていることからも、「お金」の問題は離婚の原因としても重要な要素にはなるのかと。

男性側の10位に「生活費を渡さない」が入っているのが、今の時代を反映しているのかなぁと。やっぱり夫婦2馬力で働いている共働き家庭が増えてきているんでしょうか。

2. 収入格差が引き起こすトラブル

夫婦共働きで2人の収入がまったく同額になることはなく、夫婦間の収入格差が原因で思わぬ形で不満や不公平感が生まれることがあります。収入格差が夫婦にどのような影響を及ぼし、解決方法についても考えてみましょう。

2-1 昭和と平成・令和の違い

昭和の時代であれば、お父さんは外で働き、お母さんは家で子育てや家事全般を。家族の収入はお父さんのお給料ですべて賄うのが大多数でした。

時代が進み平成となってきてからは、お父さんの収入だけでは生活費や学費を賄えないというリアルな事情もありますが、女性の方々も出産や育児が落ち着いたタイミングで仕事に復帰する人も増えてきました。

そうなってくると夫婦間の役割分担や家事負担に関しても影響を及ぼし、家事や育児に関しても「夫婦で協力」することが当然になってきます。

それができない「昭和世代の男性」は奥さんからの冷たい視線に晒され、さらに収入の格差が広がってくると「ダメ亭主」認定されて離婚を切り出される可能性が高くなってきます。

事実、高収入職種の代表格である看護師のお客さんから話しを聞いた限りでは、「自分よりも収入が低くて家事なども手伝えない旦那だったら、いない方がマシ」と、あっさりと離婚をした人が何人かいました。

2-1 時代とともに夫婦の役割分担も変わってきてますね

昭和のお父さんのように亭主関白でいられる時代ではなく、夫婦で協力して家事や育児をこなしていく時代になってきているようです。

思うに、その際に大切なのは、収入の多寡でマウントを取り合わずに「お互いさま」の気持ちで接することかなぁと。

「オレの方が稼ぎが多いから」「私だってこれだけ稼いでる」と収入の多寡で相手と自分を比べてしまうと、きっと気持ちもギスギスしてしまい離婚に近づいていってしまうような気がします。

仕事で疲れているのはお互いさま。2人で頑張って仕事をして稼いでいるおかげで暮らしの不安が少なくなっていると考えれば、収入の格差があっても問題にはならないのではと思います。

3. 家計管理の認識の違い

家計の管理に関しての考え方の違いも夫婦間で起こるトラブルのひとつです。家計簿のつけ方や支出の優先順位を巡る意見の不一致も離婚につながる原因になるので注意が必要です。

3-1 家計簿をめぐる衝突

単純に、家計簿をつけるかつけないかだけでなく、つける際に細かくつけたい派と、ざっくりと大雑把でいい派の対立はよく見られます。

あと、家計簿をつける理由として、「何にいくらつかったのか」を知りたいのか、「今月はいくらつかったのか」を知りたいのかでも対立するような。

それと、家計簿をつけることで満足してしまう人とか。

なんのために家計簿をつけるのかを考えれば、細かくつけようが、大雑把につけようがどっちでもいいと思うんです。入ってきたお金と出て行ったお金の金額差が把握できればいいと思いますが、いかがでしょうか。

最悪なのが、家計簿を細かくつけているのに毎月の収支が赤字になる家計ですよね。ホント、なんのために家計簿をつけているのか聞きたかったですわ。どっかの国の出来の悪い役人みたいな人でした。

個人的には、ざっくり派です。この違いが夫婦間のストレスを増加させ、口論の原因になることがあります。

3-2 最近の若い人はしっかりしている

みんながみんなではないと思うのですが、30代のご夫婦って上手に家計管理している人が多いような気がします。

共通の口座を作って毎月それぞれがその口座に生活費を入金して、家賃や食費、どこかへ遊びに行くときのお金もその口座から出金するとか。

その口座のお金がなかったら2人とも質素倹約の生活で来月まで我慢するとか。スマホのアプリを上手に使って管理しているご夫婦を何組か見ました。

ただ、生活費を出した後の自分の口座のお金を好き勝手に使っていると、いざという時に困ってしまう事もあるでしょうから、その部分はお互いにしっかりと話し合いをしておくことは必要かと思います。

なんにせよ、家計の事に関してはお互いに変に隠し立てをせずに、しっかりと話し合いをして認識を一致させておくことが大切だと思います。

4. 借金や浪費癖の問題

配偶者の借金や浪費癖は、夫婦間の信頼関係を揺るがす大きな問題で、案外身近なところに転がっている内容の離婚原因です。

4-1 秘密の借金は問題外

結婚前の借金も当然ですが、結婚後に内緒の借金をしたことが発覚した場合にはかなり揉めますね。離婚にまではいかなくても、夫婦間のパワーバランスは大きく変わってくると思います。

これ、わりと高収入の旦那さんに多いパターンです。

収入が多いので生活費も余裕をもって奥さんに渡すことができます。奥さんも、毎月の生活に困ることがなければご主人の金遣いに無頓着になるんでしょうね。

ちょっと使いすぎても「来月で」とか「今度のボーナスで」とかの考えで、カードローンを使っちゃってる旦那さんに何度か遭遇しました。

借金ではないのですが、大きな会社になると給与振り込みの口座を2つに分けられることがあります。「第2口座」です。

ご主人の中には、この第2口座のことを奥さんに内緒にしている人がときどきいます。なんで奥さんにバレないんだろうと不思議なのですが、きっと毎月の生活費も十分に貰っているので気にしてないのかなぁと勝手に想像しています。

あんまり自分の自由にできるお金を持っているとロクなことがないので、奥さんにバレる前にやめた方がいいとは思いますけどね。

4-2 ファミリカードは考えモノ

クレジットカードで「ファミリカード」を作って奥さんに渡している人っていませんか?

現金を持っていない時に大きな買い物をする場合には便利なのですが、勝手に使い込みをされて離婚に至った人がいます。

カードの明細を確認していなかったご主人にも非はあるのですが、場合によっては大問題にもなるので要注意です。

この人の場合は「事故」までには至らず、「異動」でとどまった感じです。

もし渡す場合には、使うタイミングや使用用途などをしっかりと話しあってからにしたほうが無難ですよ。

4-3 借金や浪費癖の対処方法は

あるのかな?多分ないと思います。

長い年月かけて身についた習性なので、借金する人はいつまでたっても簡単に借金しますし、無駄遣いをする人はいつまでたっても無駄遣いをすると思うんです。

治ったとしても一時的で、そのうちまた繰り返すと思います。心理的なハードルが低いんでしょうね。

自分の身に火の粉が降りかかる前に、こういう相手とは早めに離婚してしまった方がいいと思います。

5. お金に対しての価値観の違い

育ってきた環境が違がえば、お金に対する価値観も違って当然。ですが、あまりにも価値観が違う夫婦は、日常の中でも多々衝突します。

節約なのかケチなのか。はたまた浪費なのか。お金に対しての価値観の違いも離婚の原因となります。

5-1 節約とケチ、浪費の違い

自分としては「節約」しているつもりなのに、相手から見ると「ケチ」に映ったり。お金に対しての価値観は千差万別。育ってきた環境にも影響されますしね。

個人的には、なんでもかんでも「高いっ」「いらないっ」というのがケチ。必要なものは買うけど、欲しいものはよくよく考えてから買うのが節約と考えています。

食事に関してもそうですね。「ハレの日」と「ケの日」を区別するのが節約で、毎日毎日を必要以上に質素にするのがケチかなと。

そして、頻繁な外食やギャンブル。買ったままで使わずに放置している商品など。「必要ではないけど、なんとなく」みたいなものが浪費なのかと。

このあたりの感覚は、育ってきた環境や、そのときどきの収入によっても変わってくるので、人それぞれ違ってくるはずです。なので、この感覚があわない相手とは衝突する回数が増えてくると思います。

5-2 価値観の違いを乗り越える方法

これも、前述の借金や浪費癖と一緒で、なかなか乗り越えるのは困難かと。

乗り越えたり摺り合わせをするのではなく、気にしないようにするしかないような気がします。

結婚して長い年月を一緒に暮らしていく間に、「こんなもんなんだなぁ」と思えるようになればいいですし、「えっ!?」と思うことが続くのであればムリだと思います。

ちなみに僕はムリ派でした。

6. 不動産屋が考える「離婚とお金」

不動産屋として思う離婚の原因となるお金の問題といえば「住宅ローン」です。

6-1 築浅マンションの売却が増えてます

心なしか築浅マンションの売却物件が増えてきています。

マンションの売却理由には人それぞれあるのでしょうが、結構な割合で離婚するご夫婦もいるのではないでしょうか。

5000万、6,000万クラスのマンションも多々あります。「パワーカップル」の言葉に惑わされて買ったんでしょうかね。他社さんの媒介物件なので詳細は分かりませんが、築年数と金額を考えると結構な額の住宅ローンが残っているのではないかと推測されます。

6-2 ペアローン利用の方はご注意を

マンション価格が高騰しているのも一因ですが、ペアローンを使ってマンションを購入されるご夫婦も増えてきているようです。

結婚する時もそうですしマンションを購入するときもそうです。誰しも自分たちが離婚するなんて考えてもいないでしょう。

マンションの売却時の住宅ローンの残債が「アンダーローン」なら大丈夫ですが、「オーバーローン」状態でペアローンを利用されている方はいろいろと大変です。

財産分与の話し合いも必要ですし、実際に売却できるのかの不安もつきまといます。状況に応じてのアドバイスをさせていただいていますので、まずはお問い合わせください。

【参照】離婚時のペアローン問題:オーバーローンにどう対処する?
【参照】ぺアローン中の夫婦が離婚の際に注意すべきポイントと解決策

まとめ

離婚の原因としての「お金」に関して思うことをつらつらと書き連ねてきました。

離婚原因の1位は「性格が合わない」が定番ですが、こうやって見てくると「お金」の問題も結局は考え方、性格の不一致なのかと思います。

別々の環境で生まれ育ってきた他人が一緒に暮らしていく中で、性格の不一致は必ず発生するものです。特にお金は生きていくうえで必要でデリケートな問題です。

「お金の切れ目が縁の切れ目」の言葉もあるように、お金が問題で離婚を考えるのであれば早めに対処してしまった方がいいのではと、離婚経験者としては思います。

実際に僕もいろいろ苦労しましたから。

財産分与やマンションの売却だけでなく、なにかお困り事がありましたらお気軽にお問い合わせください。経験談を交えてご相談に乗らせていただきます。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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