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40歳男性の離婚後のマンション売却とその後の再購入を考えてみる その①

40歳で離婚やマンションの売却を決断する際には、離婚後の再購入を含め、人生における大きな決断を伴います。今回は、離婚の際のマンション売却から、その後の再購入に至るまでに注意するポイントを詳しく解説します。円満な離婚と、その後の生活を安定させるために参考にしてください。

1. どうして40歳なのか

まず最初に、あえて40歳に注目してブログを書こうと思った理由を書いていきます。

1-1 離婚者数のボリュームゾーン

厚生労働省が公表している「令和4年(2022) 人口動態調査 人口動態統計 確定数」を見てみると、令和4年における婚姻(初婚)件数は56万6722組、離婚件数は25万5846組となっています。

そして、男性の離婚者を年齢別に見ていくと、35歳~39歳の年齢層が一番多くなっています。
(【参照】別居時の年齢(5歳階級)別にみた夫-妻・年次別離婚件数・離婚率

婚姻(初婚)数を見ると、25歳~29歳の年齢層が11万203組と一番多くなっているので、単純に考えると、10年前後ぐらいで離婚する夫婦の割合が一番多くなるのかな?との勝手な推測です。
(【参照】結婚生活に入ったときの年齢(5歳階級)別にみた初婚-再婚・夫-妻・年次別婚姻件数

1-2 結婚を機にマンションを購入するパターン

結婚と同時にではなくとも、賃貸の更新時期に合わせてとか、妊娠・出産に備えてとか。結婚を機にマンションを購入するご夫婦は比較的多く見かけると思います。

そうして、先ほどの厚労省のデータと比較してみると、結婚を機にマンションを購入し、10年前後で離婚に至る夫婦は相当数いるのでは?との思いから、今回のブログを思いついたしだいです。

2. どれぐらいのマンションを購入しているのか

では、30歳前後のご夫婦が購入するマンションはどれぐらいのものなのでしょう。

2-1 年収から購入金額を考えてみる

年齢別の平均年収を調べようとすると、いろいろな転職サイトがヒットしますが、もうちょっと客観的なデータがないかと探してみたら国税庁のサイトが見つかりました。
【参照】令和4年 民間給与実態統計調査

企業規模や業種などの違いで平均年収は変わってくるのですが、いわゆる「年齢別」の平均年収は、21ページを参照すると
男女計男性女性
25~29歳389万円420万円349万円
30~34歳425万円485万円338万円
30歳中央値407万円452.5万円343.5万円

このような数字になっています。

今回は30歳前後でマンションを購入したとの仮定で考えていきますので、ご主人は450万、奥さんは340万の年収のご夫婦が、どれぐらいのマンションを購入したのかを考えていきます。

2-2 ご主人の単独名義で購入

ざっくりの計算で行くと、年収の8倍程度までは審査が通るのでは。一部の大企業にお勤めの方であれば10倍程度までいける可能性もあります。

450万×8倍=3,600万

中古のリノベ済みマンションであれば、かなり選びたい放題できますが、ちょっと控えめに2,500万ぐらいの物件を選ぶ方が多いのではないでしょうか。

仲介手数料や登記費用、銀行保証料などの諸経費を10%見込んで、出来上がりで2,800万ぐらいの借入金額でどうでしょう。

変動金利の0.6%で35年払いだと月々が74,000円ぐらいの支払い。このクラスのマンションでは、管理費と修繕積立金がおおよそ20,000~25,000円ぐらいで納まる物件が多いです。

結婚を機にマンションの購入を考えた際に、十分検討に値すると思います。

2-3 奥さんを収入合算する

もうちょっと築浅とか、もうちょっと広め。もうちょっと街中でなどの条件で探していくと、リノベマンションだけでなく、築浅の現況渡しのマンションも視野に入ってくるでしょう。

名古屋の中心部、千種区・昭和区・瑞穂区・東区などで探せば、予算も3,500万~4,000万ぐらいになってきます。

諸費用込みで4,000万から4,500万。4,000万の借入で105,000円/月。4,500万だと120,000円/月ぐらいの返済です。

管理費や修繕積立金もちょっと高めで30,000円~40,000円のマンションも増えてきます。築浅のマンションの場合は、今は安くても将来的に値上げされる可能性が高いので要注意です。

2-4 ぺアローンで購入

これは新築マンションもしくは新築戸建てのパターンですね。

ご主人450万+奥さん340万=790万

電卓上の計算だけなら、6,000万~8,000万ぐらいまでいけます。

多分、もう、月々の支払いがいくらとかではなく、「これが欲しいっ!」で買っちゃうんでしょうね。

実際にオープンハウスやってる時にも来ましたからね。30歳代の子ども無しの共働き夫婦が、3,000万のリノベマンションを「広くて使いやすい間取り~~」って褒めながらも、「あそこの新築マンションが5,000万ぐらいに値下げしてたから、新築の方がいいかなぁ~」って。

異次元の考えすぎて、ついていけませんでした。お好きにしてください。

3. 将来の売却に向けての準備事項

将来的な離婚の可能性を考え、今からできるマンションを売却に向けて準備できることはなんでしょう。

3-1 10年でどれぐらい返済がすすむのか

住宅ローンの残債額は手元にある返済予定表を見ればわかります。

ですが、最近は変動金利で借りている人が大多数で、その場合は半年ごとに返済予定表が送られてくるため、●年後の残債額が分かりません。

前章で書いた借入金額を例にして残債額をまとまてみます。(金利は0.6%、35年払いで計算します)
5年後10年後15年後
2,800万円24,350,739円20,590,364円16,715,506円
4,000万円34,786,803円29,414,884円23,879,408円
6,000万円52,180,194円44,122,300円35,819,071円

一般的な「元利金等払い」の場合、借入当初は月々の返済額に占める金利の割合が高いため、返済が進むにつれて元金の減り方が多くなります。

住宅ローン控除を利用するため、10年目もしくは13年目までに「繰り上げ返済」をする人は少ないかと思いますが、もし繰り上げ返済をした場合には、残債額から繰り上げ返済した額をダイレクトに引いてください。

繰り上げ返済は月々の返済と違って「借りたお金を返済する」ことになるため、金利を含まずに直接残債額を減らすことができます。

例えば、2,800万円借りた人が10年目で100万円を繰り上げ返済した場合には、残債額は1,960万ぐらいになる計算です。

3-2 どれぐらいで売れるのかを予想してみる

誰もが気になる事でしょうが、こればっかりはその時にならないと分かりません。

ですが、ある程度の傾向は読むことができます。

 近隣の賃貸家賃を下回る可能性は低い 購入価格からの下落率です。

近隣の似たような広さ、築年数の賃貸の家賃を調べてみると参考になります。例えば、8万円ぐらいが家賃相場だったとすると「8万円×12カ月=年間96万円」以上の下落はないかと。

 基本的には値上がり傾向 日本の景気が良くなっていけば値上がり傾向になります。

「景気が良くなる=インフレ」なので、昨日よりも今日、今月よりも来月、今年よりも来年と、モノの値段が上がっていくことになります。

景気の悪いデフレの時代であれば、2,000万円で買って10年住んだマンションが1,000万円になったとしても、インフレの時代であれば1,200万で売れるかもしれません。

3-3 できる限り丁寧に住む

キズを付けない、汚さないは基本なのですが、実際に住んで生活をしていればそんなわけにもいきません。

中古で売りに出す場合には、購入者側もリフォームを前提で考えます。リフォームをする際に手間がかかり費用がかさむ事を知っておき、可能な限り気を付けて生活をするようにしてみてください。

例えば、

 クロスの汚れ・キズは大丈夫 クロスに関しては大部分の購入者が張り替えます。そのため、常識的な範囲内の汚れやキズであれば、さほど気にすることはないと思います。

あまりにもひどい状態だと、汚れやキズに対してではなく、売主の人間性に疑問を持たれる可能性もあるので、気をつけてください。

 水廻りは以前のリフォームからの経過年数しだい 20年ぐらい経過した水廻り設備は次の購入時にリフォーム対象になります。

リフォーム・リノベ済みマンションを購入したのであれば要注意ですが、現況で買ったのであればそれほど神経質にならなくてもいいような気がします。

ただし、浴室の鏡の石鹼カスや水垢、水廻り設備の水洗金具の水垢汚れは気を付けましょう。ここが汚れていると一気にイメージが悪くなります。

 予想以上に費用がかかる場所 フローリングの傷はやっかいです。一部だけを張り替えることができないので工事範囲が予想以上に広範囲になり、費用も案外高額になります。

お子さんがおもちゃで遊ぶ場合や、椅子のキャスターなどでもキズが付くことが多いので気をつけてください。

和室の敷地も要注意です。取り換えるのも手間ですし、黒ずんだ汚れを落とすのも結構難しい作業になります。

隣り合わせになるフローリングや畳が新しくなった状態で敷居だけが古い状態で残ると、非常に悪目立ちします。猫を飼っている場合に爪とぎをやられると最悪です。


つづく

つらつらと書き連ねてきましたが、長文になってきてしまったので、ここまでを前半とさせていただきます。

後日改めて後半を書いていきますので、よろしければあわせて読んでください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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