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40歳男性の離婚後のマンション売却とその後の再購入を考えてみる その②

前回の「40歳男性の離婚後のマンション売却とその後の再購入を考えてみる その①」の後半部分、実際の売却活動から、その後の物件購入に関しての考え方などについて書いていきます。その①とあわせて読んでみてください。

1. マンション売却の注意点

過去にも「離婚時のマンション売却準備ガイド:成功するための秘訣のブログで、離婚に限らずマンションの売却に関しての注意点などは書いてきましたが、今回は少し違った目線で書いていきます。

1-1. 「アンダーローン」を前提にしています

住宅ローンを利用して購入したマンションを売却するためには住宅ローンを完済しなければなりません。

ほとんどのケースでは、マンションを売却したお金でローンを完済することを考えると思います。

「(住宅ローンの残債)<(売却価格)」のアンダーローンであれば問題ありませんが、「(住宅ローンの残債)>(売却価格)」のオーバーローンの状態だと色々と事情が変わってきます。

今回は「アンダーローン」を前提に考えていきますので、オーバーローンの場合は、まずはオーバーローンに対しての問題解決を考えることが最優先になります。

【参照】離婚時のマンション問題:オーバーローン対処法

1-2. 売却の基本的な手順のおさらい

マンションの売却の手順は、今までにも書いてきましたが「査定→販売→内覧→交渉→契約」です。

この中で大切なのは、売るための価格を決める根拠となる「査定」です。この「査定」に関して、気になっていることを書いていきます。

1-3. 何を基準にしての査定価格なのか

不動産の価格には、インターネットなど掲載されている「売却価格」と、実際に契約に至った「成約価格」の2種類の価格があります。

広告に掲載することが「売却」なのではなく、契約して買主さんから売買代金をいただくことが「売却」です。なので、成約価格を参考にして「この値段なら売れると思います」と売主さんに価格を提示することが本来の「査定」です。

ですが、最近はちょっと様子が変わってきました。一括査定サイトの登場です。上手に使えば便利なツールなのですが、サイトの性格上どうしても査定価格が高くなる傾向にあります。

【参照】閑話休題 失敗せずに一括査定サイトを利用するための5つのポイント

売却の問い合わせをいただいた不動産会社としては、競合他社の高値査定と比較されて簡単に引き下がるわけにもいきません。「こんなに高い値段で売れるんだぁ」と簡単に信用するのではなく、何を参考にしての査定価格なんかをしっかりと説明してもらい、納得した上で売却価格を決めるようにしてください。

相場とかけ離れた高い販売価格で、半年、1年と長期に渡る販売を経て、結果としての契約価格が査定時の中間辺りの価格で納まってしまうケースも結構あります。

ストレスが溜まるだけでメリットがない無謀な高値査定には気をつけてください。

1-4. 少しでも高く売るためのポイント

売却価格を決める際の注意点は前述の通りですが、内覧に来た買主さんが必ずしも売却価格どおりで購入してくれるとは限りません。大なり小なりの交渉は入ってきます。

販売価格にはある程度納得をしているから内覧に訪れたはずです。そこから条件交渉をするということは、交渉することを前提にしていた可能性もありますが、写真や動画などを見て想像していた状態と違った「ギャップ」があったかもしれません。

交渉の度合いを小さくするには、このギャップを小さくして「想像どおりだった」と思ってもらうことが大切になってきます。

例えば、

 写真を盛りすぎない 少しでも部屋が広く見えるようにと、不動産会社が広角レンズを使って室内写真を撮ることがあります。

ある程度の広角であれば問題ないですが、度を越した広角レンズを使った写真を載せている場合もあります。

そうなると、「思っていたよりも狭かった」の印象を持たれる可能性も高くなります。盛りすぎない、ほどほどの写真を載せるように気を付けてください。

 室内の臭い ファブリーズのCMが「玄関臭っ!」「トイレ臭っ!」などと分かりやすくていいですね。

他人の家の臭いは結構気になるものです。まして、買ったら自分が暮らす家であればなおさらです。

ペットやタバコの臭い、洗面所の湿気も気になります。キッチンの換気扇やコンロの油汚れが溜まっていませんか?見た目の汚れだけでなく、古くなった油の臭いはかなり強烈です。

「クロスは張り替えるとして、この臭いや汚れはハウスクリーニングでどれだけ取れるんだろう?」ちょっと余分に金額交渉しておいた方がいいかな?と思われる要因になりそうですよね。

内覧に備えて、普段からの掃除や換気には気をつけてください。

 荷物の整理 荷物の整理も大切です。

写真に写らないように撮影の時だけ荷物を移動させたりしてませんか?内覧の時には室内全部を見られるため「想像と違った」「思っていたよりも部屋が狭い」につながります。

クローゼットの中に洋服がパンパンに入っているのも要注意です。乱雑な印象を与えるとともに「収納が少ないのかな?」と思われるケースもあります。

可能な限り室内はスッキリと整理整頓し、不要な荷物は早めに処分するようにしましょう。


2. 離婚後の新たな住まいの選び方

マンション売却の目途が経ったら、次は新居をどうするかを考えましょう。

2-1 賃貸と購入、どちらが賢明か?

離婚後に完全に1人暮らしになるのか、お子さんと一緒に暮らすのか。財産分与をして手元にどれぐらいの資金が残っているのか。

いろいろと考える必要はあるのですが、とりあえずは賃貸に住んで、1回目の更新を迎える2年以内には購入するのがいいのかと思います。僕自身もそのパターンです。

2-2. そのまま賃貸暮らしを続けるのはどうか

マンションを買う時も売る時も手間がかかったので、離婚を機にこのまま気楽な賃貸暮らしを続けるのもいいかなぁと思う人もいるでしょう。

死ぬまで賃貸暮らしをするのもいいと思います。世の中にはそんな人がたくさんいます。僕の周りの独身男性にも「もう結婚することもないし、子どももいないから、ずっと賃貸でいいんですよ」と言っている人はいます。

ただ、そんな人たちって、「家は寝に帰るだけの場所だから、そんなことにお金を使いたくない」って考えの人が多く、実際に結構古めで家賃の安い部屋に住んでいるケースが多いと思います。

そんな家に住んでいても、今はなにも問題ないと思います。ただ、聞きたいのは「その賃貸にいつまで住めるんですか?」ってことです。

60歳を超えたら賃貸を借りられないって話しを聞いたことありませんか?そんな年齢になった時に大家さんから「建て替えるから出て行って」と言われたらどうするんですかね?

「県営、市営住宅に入る」と言うかもしれませんが、今の時代は辺鄙な場所の古い団地しか空いてないですよ。そんなところで、歳をとってから生活できますか?

年齢制限のないURもありますが、家賃けっこう高いですよ。

歳をとってから住む場所がなくなるかもしれないリスクを考えると、築年数が経っているとしても分譲マンションを買っておいた方が安心できると思います。

2-3. 再購入における物件選定のポイント

離婚して男親が2人以上の子どもを引きとる可能性は低いと思うので、

・自分+子ども1人(10年以上同居の可能性あり)
・自分+子ども1人(そろそろ成人して独立かも)
・自分のみ

この3パターンで考えてみます。

 自分+子ども1人(10年以上同居の可能性あり) オススメは3LDKですね。

理由としては、自分と子どもに各1部屋。各自の部屋に収まらない荷物を入れるための納戸として1部屋、合計で3LDKです。

あと、子どもと10年以上同居の可能性があるとすると、再婚する可能性もあるのかと。そういった可能性を考えても、部屋数にプラス1の余裕は持っておいた方がいいと思います。

 自分+子ども1人(そろそろ成人して独立かも) 2LDKもしくは3LDKです。

自分と子どもに各1部屋で2LDKは確定。荷物の整理に余裕を持ちたいとか、値段に折り合いが付くようなら3LDKでもいいかもしれないです。

2LDKのお部屋でも、子どもが独立すればプラス1の部屋もできます。その状態であれば再婚することになってもそのまま暮らしていけるので、2LDKをメインで探して、条件しだいで3LDKを購入してもいいのではないでしょうか。

 自分のみ 2LDKでいいのではないでしょうか。

ただ、40代の「前半」であれば、再婚して子どもをつくる可能性を考えて3LDKでもいいのかも。「後半」であれば、再婚をしたとしても子どもをつくる可能性も低いでしょうから2LDKでいいと思います。


こうやって改めて物件の選び方を考えてみると、3LDKのマンションが人気になるのも納得です。売るにしても買うにしても1番無難で、どんな状況にも対応できるのが強みですね。

【参照】離婚時にマンション売却を検討する方へ!人気の間取りと売却ポイント

2-4. 40代男性が注意すべき住宅ローンの選び方

住宅ローンの完済年齢も80歳までの銀行が増えてきました。そうした銀行であれば、44歳までなら35年ローンが使えます。

「2-2. そのまま賃貸暮らしを続けるのはどうか」でお話ししたように、固定費を抑えるために家賃の安い、古い賃貸に住むのもリスクがあります。

ある程度の築年数の賃貸であれば、10万円程度の家賃は取られるのではないでしょうか。

家賃の10万円を目安に考え、管理費や修繕積立金で25,000円~30,000円、固定資産税を月割り計算して5,000円/月で計算すると、35年ローンなら2,000万円ぐらいまでのマンションなら購入できます。ちょうど築40年前後ぐらいのマンションになるのではないでしょうか。

ディーラーに騙されて残クレでアルファードを買うよりは、はるかに有意義な買い物だと思います。

まとめ

2回にわけて40歳の男性が離婚後にマンションの売却や再購入をするケースを考えてみました。

結婚する年齢も、離婚する年齢もまちまちで、最近は婚姻生活20年以上の熟年離婚の占める割合が増えてきているようですね。

売却も購入も、そして離婚に関しても、僕自身の実体験の交えてご相談できますので、なにかありましたらお気軽にお問い合わせください。


この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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