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マンションの1階が売りづらい理由とは?早く売るための効果的な方法を考えてみる

マンションの1階は他の高層階と比べて売却が難しいとされています。防犯やプライバシー面での不安といった理由が挙げられますが、1階ならではのメリットがあるのも事実です。今回は、マンションの1階が売りづらい理由とともに、早く売るための効果的な売却方法を具体的に解説します。

1. マンションの1階が売れにくい理由

実際にマンションを売りに出し、購入希望者の内覧後の断り文句としては主に以下のような理由が上がります。

・見晴らしが悪い
・陽当たりや風通しが悪い
・通行人の視線が気になる
・騒音が気になる
・水害のリスクがある
・防犯面の不安がある
・虫が入ってくる
・湿気や冷え

順番に詳しく見ていきましょう。

1-1 見晴らしが悪い

1階ですからね、これは致し方ないでしょう。

2階以上の部屋、さらに言えば、マンションならではの眺望を楽しめるであろう5階以上の高層階のお部屋と比べてしまえば、見劣りするのは事実です。

1-2 陽当たりや風通しが悪い

郊外のマンションでしたら南側が開けていたりすると陽当たりが良かったりもします。角部屋でしたら、1階のお部屋でもまずまずの風通しが確保できる場合もあります。

ですが、やはり街中のマンションでは厳しい状況にはなってしまいがちです。

もともと建物も密集しがちになりますし、購入時には空き地であったり、低層の建物が建っていた隣地に高い建物が建つリスクもありますからね。

1-3 通行人の視線が気になる

道路との境界フェンスの高さやデザイン、マンションの基礎の高さなどによっては、通行人の目線とドンピシャになってしまっている場合もあります。

実際に、通行人としてはお部屋を見ていることはないのでしょうが、住んでいる側としてはどうしても気になってしまうのも事実です。

女性の方だと洗濯物の心配もありますね。

1-4 騒音が気になる

通行人の話し声や車の音などですね。

交通量の多い大通りに面したお部屋だと、トラックの音や振動などもプラスされてくるので、より一層に気になってしまうでしょう。

1-5 水害のリスクがある

大雨の時の道路冠水や内水氾濫だけでなく、川の近くのマンションの場合には、より被害が甚大になる「河川の氾濫」の心配もあります。

過去に実際に氾濫した実績がなくても、昨今の異常気象による水害のニュースを見てしまうと、どうしても心配にはなってしまうのでしょう。

1-6 防犯面の不安がある

これもイメージが先行している部分もあると思うのですが、「1階=空き巣に入られやすい」と思われてしまいます。

女性の場合では「下着ドロボー」のリスクもあり、ダブルの心配ネタになってしまいます。

1-7 虫が入ってくる

蚊やゴキブリの侵入リスクであれば、3階ぐらいまでのお部屋と大差はないのですが、虫がキライな人にとっては切実な問題です。

僕も以前に賃貸の3階に住んでいた時に何度かトカゲがベランダに侵入してきたり、部屋に侵入されたこともあり泣きそうでした。

1-8 湿気や冷え

陽当たりや風通しと繋がる部分もあると思いますが、湿気が溜まりやすくなったり、床下からの冷えが気になることはあります。

2. マンションの1階を早く売るための考え方

1階のお部屋の売却をスムーズに終わらせるためには、お部屋のデメリットを分かったうえで、それを上回るだけのメリットを訴えることが必要です。

1階ならではのメリットとは何かを順番に見ていきましょう。

2-1 遊べる庭がある

どんなに人気のタワーマンションのお部屋であっても、「庭」があるのは1階のお部屋だけです。

「庭」が欲しいと言うよりも、「遊べるスペース」が欲しいのかもしれません。「ルーフバルコニー」のあるお部屋が人気なのと相通じるようなものかもです。



こんな感じに、「庭+専用駐車場」があるようなお部屋であれば、より一層に有利になると思います。

2-2 エレベーターが止まっても大丈夫

朝の通勤・通学時間にエレベーター待ちをすることなく出かけられるだけでなく、点検でエレベーターが使えない時でも大丈夫なのも1階のお部屋の魅力です。

・忘れ物をしてもスッと戻ることもできます。
・朝のゴミ出しも、タイミングを見計らえばノーメイクでもOK!
・重たい荷物を持って帰ってきた時にも、エレベーター待ちをせずにお部屋へ直行です。

高層マンションになればなるほどエレベーターを待つ時間がジミにめんどくさくなりますが、1階のお部屋でしたらそんなストレスを抱えることなく快適に暮らしていただけます。

2-3 子どもが走っても大丈夫

自分の部屋の下に他人が住むことのない1階なので、子どもが走り回ったとしても大丈夫です。

「下の人に迷惑だから…」と怒る必要もなく、家族みんながのんびりと暮らすことができるのも1階のお部屋のメリットです。

2-4 転落事故のリスクが低い

忘れたころにニュースで流れる子どもの転落事故。1階のお部屋であればそのリスクは低くなります。

そもそも転落するバルコニーもありませんし、窓から落ちたとしてもケガですむ程度の高さです。

万が一のことを考えたときにも、1階のお部屋のメリットに入れてもいいのではないでしょうか。

3. 売却におけるネガティブ対策

自分の力ではなんともならないネガティブ要素はさておき、内覧時の対応で消せるネガティブ要素はないのでしょうか。

3-1 防犯面は案外なんとかなるのでは

警視庁のデータによると、令和5年の侵入窃盗の発生場所別認知件数は、一戸建住宅が30.5%と最も多く、3階建て以下のマンションは7.3%、4階建て以上のマンションでは3.8%となっていて、一戸建ての空き巣被害と比べると、マンションの割合は低くなっています。

【参照】データでみる侵入犯罪の驚異

おそらく、なんだかんだ言ってもマンションの場合は敷地をある程度の高さの境界ブロックなり境界フェンスで囲っているので、戸建てと比べて空き巣としても狙いにくいのではと想像します。

侵入の手口は、戸建て・マンション問わず「無締り」、ようは「カギを掛けていない」玄関や窓からの侵入みたいです。

【参照】手口でみる侵入犯罪の驚異

2位と3位が「ガラス破り」と「合かぎ」なので、結局のところ「カギを掛けていない玄関」「バルコニーに面した窓」が狙われやすいってことですよね?

であるならば、「1階だから戸締りをしっかりとしなきゃ」と考える1階のお部屋よりも、「1階じゃないから大丈夫」とカギを掛けない2階以上のお部屋の方が空き巣被害にあいやすいんじゃないかなぁと。

対策としては、

・出かける時には必ずカギを掛ける
・窓には防犯フィルムを貼る
・玄関のカギはディンプルキーに
・そして補助錠を付けて2ロックに

この4点の対策をすれば、1階のお部屋でもそう簡単には空き巣に入られることはないような気がします。

そして、ガラス破り対策としてインナーサッシの取付けはどうなんでしょうね?ガラスの枚数が増えるので多少の効果はあるような気がするのですが、ご存じの方がいたら教えてください。

3-2 騒音は意外と高層階の方が酷い

通行人の話し声ではなく、車の騒音です。

車の騒音は道路に反射して上の方に広がるので、1階のお部屋よりも案外2階~5階ぐらいまでのお部屋の方が気になるケースが多々あります。

国道沿いなどで「遮音壁」が整備されている場所でしたら、遮音壁よりも高い階数のお部屋の方がうるさいです。

「1階=うるさい」と、単純なイメージで考えている人がたくさんいるので、理屈で説明すると納得してみたり、実際に自分で遮音壁の隙間や高層階の廊下などで聞き比べたりする人もいるので、物は試しで言ってみるといいですよ。

3-3 視線も上手く遮れる

ホームセンターなどで売っているオーニングやシェードを上手に使えば、通行人の視線も遮ることはできますよね。

その他、庭木を植えてみたりラティスなどのフェンスを設置してみたり。管理規約に抵触しない範囲での目隠しの方法は思った以上にあるものです。

ただ、あまり外部の視線を遮りすぎると空き巣被害にあいやすくもなりますので、ほどほどにしておいてください。

3-4 ブラックキャップはかなり優秀

1階のお部屋に限らず、ゴキブリ対策にブラックキャップなどを使っている人は多いのではないでしょうか。

僕も使っていますが、たしかにゴキブリを見なくなりました。かなり優秀です。

蚊やウンカなどの虫に関しても、網戸に吹き付ける防虫スプレーを使うと効果的です。

ちなみに、あるドラッグストアの店員さん(おそらく店長さん)に「網戸に貼る虫よけ」って効果があるのかを聞いたら、「あれは虫よけなので意味ないですよ」って即答されました。

4. マンションの1階を探している人とは

売りづらいと言われるマンションの1階ですが、あえて1階のお部屋を探している人がいるのも事実です。

どんな人が探しているのでしょうか。

4-1 小さい子どもがいる家族

マンションの1階を探しているお客さんの鉄板です。

戸建てでもいいような気がしますが、「子どもが飛び出すのが怖いので」と、マンションの1階を希望されることが多々あります。

ガーデニングだけでなく、お子さんのプール遊びができるように庭に散水栓が付いていると喜ばれます。

4-2 家への出入りが多い人

家で仕事をしている人など、家への出入りが頻繁にある人だと、出入りのたびにエレベーターを待つのが苦痛になり、1階を部屋を希望するケースがあります。

4-3 荷物が多い人

週末にまとめ買いをする家族であったり、キャンプなどのアウトドアの趣味があると、荷物を運ぶのがラクな1階を選ぶ傾向が高くなります。

「2-1」で書いたような、庭+専用駐車場のタイプだとより一層便利になるので、かなり購入意欲が高くなります。

4-4 高齢者や体の不自由な人

高齢になって歩くのが大変な人であったり、ケガや病気で車椅子を使っているような人が家族にいると、エレベーターがあったとしても1階のお部屋の方が安心・便利なので、1階をお部屋を探すことが多くなります。

特に車椅子の場合はエレベーターでの方向転換も難しかったり、乗り降りの際のエレベーターホールに段差があったりなど、エントランスから直接お部屋に入ることができる1階のお部屋の方が都合がいいようです。

5. 効果的な集客方法

少ないニーズをモノにするためには、効果的な集客方法を考える必要があります。

5-1 写真や動画の効果的な活用

インターネットでの集客がメインになっているため、室内の様子がしっかりとわかるような写真を掲載することが大切です。

荷物を整理し、すっきりとした写真を撮るように。明るいイメージになるように太陽の出ている昼間に撮影することも大切です。

写真だけでは分かりずらい部分に関しては動画も併用することで、ネット閲覧者にアピールすることもできます。

5-2 ターゲット層に刺さる内容に

1階のお部屋を探しているであろう人たちの興味を引くような写真を掲載しましょう。

収納スペースや室内だけでなく、マンションの共用分のバリアフリーになっている写真。お庭の広さや陽当たり、散水栓の有無など、どうやったらターゲット層の目に留まるのかを考えて広告内容を吟味するようにしましょう。

まとめ

マンションならではの眺望はないものの、1階ならではのメリットが多くあるのも事実です。

1階のお部屋に限らず、どんなお部屋でも売りづらい要素は持っています。

【参照】「築40年のマンションなんて売れない」に騙されないで。ちゃんと需要はあります。
【参照】4LDKマンションの売却成功の秘訣!売りづらい理由と解決法を徹底解説

ターゲット層を見極め効果的な広告をすることで、マンションの1階のお部屋も早期売却をすることは十分に可能です。

実際に売却をスタートする前に、少しでも不安や心配があるようでしたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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