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マンション売却の落とし穴。安くても売れないマンションの注目すべきポイントとは

価格が安ければ売れるのは事実なのですが、安くても売れないマンションがあるのもまた事実です。売れ残る理由には価格以外にもさまざまな要因が絡んでいて、売れない理由をしっかりと把握することがスムーズな売却をするためには必要です。今回は、マンションが売れない価格以外の理由を徹底的に解明し、スムーズな売却を目指すための対策をご紹介します。

2025年7月8日 追記更新

1. よく言われるのは立地の問題

「立地が良ければマンションは売れる」と言われるように、マンションの売却において立地は非常に重要な要素です。

まず最初に、一般的に「立地が悪い」と言われるマンションの特徴を見ていきましょう。

1-1 最寄り駅からの距離

新築マンションの広告で「駅に隣接」とか「駅徒歩1分」など、とにかく駅までのアクセスの良さをアピールする広告を目にすることがありませんか?

マンションの購入検討者は、通勤・通学でのアクセスの良さや、日常生活での周辺施設の利便性などを重視する傾向が多くなります。

もっと細かく言うと、徒歩圏内として受け入れてもらえるのは、おおむね「10分」圏内です。それ以上の距離になってくると難色を示す方が多くなります。

実際に暮らしてみると、15分~20分圏内ぐらいの方が静かで住環境としては優れていると思うのですが、いかんせん購入の段階では「駅近」のフレーズに魅力を感じる人の割合が多くなってしまうのが実情です。

「自転車を使えば~」のフレーズもむなしく響くだけです。

1-2 アクセスの悪さ

名鉄、JR、近鉄などの「電車」の場合であれば、最寄り駅に停まる列車の種類がポイントになります。

特急や急行、快速など全ての列車が止まる「ターミナル駅」なのか、普通列車しか停まらないのか。通勤や通学を考えれば全ての列車が停まる方が便利なので、その駅に近い方が人気にはなりますよね。

実際に、普通列車しか停まらない最寄り駅までは徒歩3分。快速や急行などが停まる隣の駅までは20分ぐらいの距離のマンションだと、「やっぱりあちらの駅の近くで探します」と断られるケースも結構あります。

そうやって人気のある駅周辺のマンションは、価格も高くなったり付近の月極駐車場の賃料が高くなったりと色々とデメリットもあるのですが、こちらのパターンもいかんせん目先のメリットしか考えない人が多いのも実情です。

1-3 最寄り駅までバスで〇分

名古屋の人にとって、日常生活の移動に「バスを利用する」ことが眼中にない人は多数います。

路線図をしっかりと見ると、名駅や栄まで乗り換えなしの1本でいけるような場所もたくさんあって案外便利なんですけどね。

いかんせん車社会の名古屋においては、「渋滞で時間が読めない」バスでの通勤や通学は不人気になってしまいます。

2. 内覧した時に意外と嫌われがちな立地

おおよその立地を踏まえて内覧に臨むのですが、実際に現地に到着してから「これってどうなんですかね?」と聞かれる立地があります。

2-1 コンビニの横

近くにあると便利なコンビニですが、マンションの隣地にあるとちょっと不安になる要素です。

・夜中に騒いだりするアホな輩とか
・早朝、深夜の配送時の音とか
・レジ横商品(揚げ物など)を調理する時の臭いとか

近くにないと不便だけど、近すぎるとイヤな人が結構います。

2-2 新聞屋さんの近く

隣地は当然なのですが、2~3軒離れた場所にあっても「どうなんでしょう?」と聞かれることがあります。

たしかに、朝刊の配達時間にあたる3~4時前後の時間は、一番気持ちよく寝ていたい時間でもあります。

そんな時間に、新聞を運んでくるトラックの音や、配達に向かうカブの排気音が心配になるのもムリはありません。

2-3 警察・消防署の近く

夜中の出動時のサイレンの音が心配になるようです。

実際に住んでいる方に聞いてみると、夜中の出勤時にはある程度離れるまではサイレンを鳴らさずに出動するようですし、「イザという時には近いから安心」と言って笑い飛ばす人もいるぐらいです。

2-4 宅配業者の荷捌き場

こちらも、寝ている時間のトラックの発着や、荷捌きをするスタッフの話し声などを気にする方がいます。

小さいお子さんのいるご家庭だと、トラックの出入りが多いことでの事故も心配になるようです。

3. マンションの管理状況

マンションを内覧する時、内覧者がまず最初に目にするのが外観や共用部分です。

自分一人の努力ではなんとも対応がしづらい部分ではありますが、マンションの管理状態が悪く、外観や共用部分の管理が行き届いていないと、どんなにお部屋の中が魅力的でも売却が難しくなることがあります。

3-1 外観の老朽化

「古くて汚れている」のか、「古いけど手入れが行き届いている」のか。築年数が経ったマンションであればあるほど、この印象の違いは売却において大きな違いを生んでしまいます。

築30年、40年経ったマンションの売却において「大規模修繕工事が終わった時期が売りやすい」と言われるのは、外壁の汚れや共用部の修繕も終わって、マンション全体がリフレッシュして経年劣化を感じにくくなることも一因です。

3-2 共用部分の管理状態

共用部分の清潔さや管理状況は、購入者の購買意欲に大きな影響を与えます。

エレベーターや共用廊下、階段にゴミが落ちていたり汚れていたり。集合ポストの周辺やゴミ置き場が乱雑になっていると、マンションとしての管理状況だけでなく、「どんな人が住んでいるんだろう」とマイナスの印象を与えてしまいます。

3-3 自転車置場も見られています

使っていない自転車が放置されていたり、その結果として自転車置場が乱雑になるだけではなく、置ききれなくなった自転車が自転車置場以外の場所に駐輪されていたり。

住んでいる住人には見慣れた風景化もしれませんが、初めて内覧に訪れた人の目には「いいかげんな人たちが住んでいる」と映ってしまう可能性もあります。

共用部の管理状況は「住人のモラル」に比例する部分もありますので、管理会社とも相談をしながら改善を図っていった方がいいですね。

3-4 管理費や修繕積立金の問題

マンション全体のメンテナンスや管理には、月々の管理費や修繕積立金が関わってきます。

高すぎる管理費や修繕積立金は購入をためらう一因にもなりますが、反面、安すぎることによってメンテナンスが行き届かないマンションも購入をためらう可能性があります。

適切な金額を徴収し適切な管理を行っていくことが、マンションとしての価値を上げ、結果として売却価格にも反映されていきます。

4. 内覧時の印象

ネットやチラシを見て良さそうな物件を見つけて問い合わせをしてきた購入希望者が、実際に物件を内覧する際の印象は非常に大切です。

部屋の状態や見た目が想像していたよりも悪く、「写真ではキレイだったのに」との印象を持たれてしまえば、即座に候補から外されてしまうこともあります。

4-1 部屋の清潔感がない

どんなお部屋でもそうですが、内覧時にお部屋の第一印象を左右するのは清潔感です。

変に着飾ることもなく「普段のまま」を見てもらうことも大切ではありますが、内覧してもらう購入希望者は大切なお客さまです。

大切なお客さまをお迎えするお部屋の状態を、ある程度以上に整えてキレイにしておくのは当然のマナーです。

荷物が整理できていない、ゴミが落ちているといった物理的な清潔感だけでなく、「イヤな臭いがしない」ことも清潔感につながります。

4-2 室内が片付いていない

LDKであればソファセットやダイニングセット。それぞれ各自の居室であればベッドや机など。お部屋にはどうしても置く必要がある家具や荷物が存在します。

必要なものだけが目に付く空間は、内覧者にスッキリとした印象を与えて、購入に向けて前向きな感触を与えることにもつながります。

自分にとっては大切なものであっても、他人が見た時に「なぜそれがそこに?」と思われるようなものはクローゼットなりに収納するようにしましょう。

5. 売却時期

売却するタイミングによってもマンションの売れ行きは大きく左右されることがあります。

5-1 時勢的要因と季節性要因

一戸建てと比べると、ある程度は底堅い需要のあるマンション市場ですが、時勢的要因や季節性要因によって需要の増減は発生します。

時勢的要因や経済性の面で一般的に言われているのは、「金利が低いと購入希望者が増える」ですが、個人的に感じているのはまったくの逆で、「金利が上がるニュースが増えると、駆け込み需要が増えて市場が活性化する」です。

もうね、世間の人は低金利に慣れちゃってて、金利は安いのが当たり前なんです。

業界の知り合いに聞いてみても、銀行の担当者に聞いてみても、「長期金利が上がり始めましたぁ~」のニュースが増えた頃に駆け込み需要があり、金利のニュースがなくなると需要が減ったって感じです。

ホントに、とっとと変動金利の実行金利が1.25%ぐらいの世の中になってくれないかと、切実に思う今日この頃です。

そして、季節性の要因ですが、「新年度が始まる前の1〜3月に需要が増える」も怪しい世の中になってきています。

一戸建ては違うかもしれませんが、中古マンションは同じ学区内で探す人の割合がかなり多いです。となると、別に新年度に合わせてマンションを買う必要はなく、学区内で良さそうなマンションが売りに出たら考えるパターンになってきていると思います。

ただ、全部が全部このパターンに当てはまるわけでもなく、金利が安い方が、新年度の方が、「マンションを買ってみようか」と考える人が増えることもあるので、売却時期を合わせられるのであれば合わせるに越したことはないかと思います。

5-2 棟内、周辺の競合

同じマンションの同じ間取りの部屋であったり、近隣の築年数や間取り、専有面積の似たようなお部屋の売却とバッティングすると、想像以上に厄介な状況になります。

中古マンションを売却するにあたってのメリットの1つが「限定1邸、再入荷未定」の希少価値です。

その希少価値がなくなるだけなく、純粋に購入希望者としても選択を迷ってしまい、身動きが取りづらい状況になってしまいます。

最悪の場合、「売れちゃってもこっちの部屋があるから、ゆっくり考えよう」なんてことにもなってしまいます。

6. 売るために自分で出来ることは

立地や管理状況など、自分の力だけではなんともできないことはありますが、売却するために売主として自分でできることを考えてみましょう。

6-1 まずは清潔感のあるお部屋に

内覧において最も大切な「お部屋の清潔感」をアップさせるために、次の事を気を付けるようにしましょう。

 玄関の臭い対策 内覧における最初の一歩は玄関です。

・靴はすべて下駄箱の中にしまってください。
・汗臭くなった靴は洗うか、捨てるかを考えましょう
・ムリならば、最低限、陰干しをして消臭剤を振りかけるように
・下駄箱の中にも消臭剤を入れて臭い対策を

 水廻りの対策 女性のキビシイ目が光る場所です。

・キッチンの換気扇とガスコンロの掃除は入念に
・水栓金具の水垢も頑張って取り除きましょう
・排水溝の掃除も忘れずに
・換気をしっかりと行い、湿気臭を感じないように

 リビングの対策 ・クッションカバーは洗濯しておきましょう
・レースのカーテンも洗濯を。柔軟剤を使って「ほんわか」と香らせるといいかも
・ペットを飼っているならトイレ掃除を忘れずに
・タバコは当時の朝からは厳禁です

6-2 そしてお片付け

 テーブルの上をキレイに 荷物の処分や、クローゼットや押し入れの中を整理するのはもちろんですが、思いのほか見られるのがテーブルの上です。

リビングテーブルにリモコンなどが散らかっていたり、うっすらとホコリが溜まっていたり。ダイニングテーブルに食べかけのお菓子がおいてあったりとか。

テーブルは日常的に家族が使う場所です。そのテーブルが雑然としていると、住んでいる人間まで「雑」と思われかねません。不要なものは片づけて、スッキリとした状態にしておいてください。

 とりあえず積み上げるのはヤメる 少しでも荷物を片づけようと箱に詰め、部屋の片隅に積んでいる人を見かけますが、それはヤメましょう。

本人としては片づけたつもりになっているのでしょうが、他人から見ればやっぱり「とりあえず端っこに寄せておいた」の印象になってしまいます。

いらない荷物は適宜処分して、部屋全体がスッキリとするように。床面積の半分は見えるような状態にしておきましょう。


まとめ

マンションが売れない場合に、価格以外で考えられるポイントをご紹介してきました。

「安ければ売れる」のは間違いありませんが、価格以外の要素をクリアすることで、値下げをせずとも売却することができるかもしれません。

マンションが売れないと不安に思われている方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。いろいろな状況を検討し、最適な売却方法をご提案させていただきます。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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