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相変わらず届く「マンション売りませんか?」チラシ…内容は99%ウソですよ

相も変わらずポスティングされる「マンション売りませんか?」というチラシ。「こんなチラシを信用する人なんているのか?」と思うのですが、世間では騙されている人が多数いることには驚きです。今回は、「マンション売りませんか?」チラシに騙されて痛い目にあう人を減らすためにも、チラシに書かれているウソをしっかりと解説していきます。

1. 「限定1組」バージョンは99%ウソです

恐らく1番多くポスティングされるのが「至急!このマンションを1組の方がお探しです」と書かれた「限定1バージョン」のチラシ。

まずは、このチラシに書かれた内容の真実を書いていきます。

1-1 どこのマンションにも配ってます

ある日、うちのマンションにポスティングされていたチラシです。



デザインも文章も、よく似ていると思いませんか?それもそのはず、同じ会社の別の営業所のチラシなんです。

「あそこのマンションがどうしても買いたいっ!」と熱望している人が、複数の不動産会社に声をかけて探してもらうことは万が一にもあるかもしれませんが、同じ会社の別の営業所に頼むでしょうか?

同じ日に同じ会社が同じマンションに「1組います」のチラシをポスティングすること自体がナンセンス。これだけでも、こういったチラシが、ポスティング会社に頼んで定期的に付近の分譲マンションにポスティングされていることがまるわかりです。

事実、以前に街を歩いていたら、イラン系のマッチョな2人組が軽自動車にチラシを大量に積んで、マンションごとに車を止めながらポスティングしているのを目撃したことがあります。

ウソだと思うのでしたら、ご自宅に届いた日に近くの分譲マンションのポストを覗いてみてください。マンション名を変えただけの同じ内容のチラシが大量にポスティングされてますよ。

1-2 「1組」は個人とは限らない

「1組」と書かれていると、一般の方は勝手に「1人」と解釈するようです。

ですが、こういったチラシに書かれている「1組」は、99%がマンションの買取業者を指しています。

99%と書いているのは、世の中に100%の事柄はそうそうないから99%と書いているだけのことで、なんなら99.99%と言っても過言ではないです。

その理由は、こういったチラシによく書かれている「購入希望者の取引条件」を見て行けば明白です。

1-3 「買主が自分でリフォーム」なんて、そうそうあるものではない

「購入後に買主が自分でリフォームをするので室内の状態は不問です」とか書いてありますが、築5年程度ぐらいまでのピカピカのマンションで、クロスの張替えとハウスクリーニング程度で棲むのならまだしも、30年・40年経った中古のマンションを、個人が購入後に自分でリフォーム・リノベするなんて、予算や日程を考えると、そうそう簡単にできるものではないです。

買取業者が買うから、いっそ室内は古いままの方が安く買い叩けるため、「自分でリフォーム」と書いてあるだけです。

決して、「ウチみたいな古い家でも買ってくれるかも」と、幻想を抱かないでください。

1-4 「荷物や残置物もそのままで」なんて、あるわけない

誰が好き好んで他人の荷物を処分しますか?他人の手あかやホコリにまみれた荷物なんて触りたくもないと思うのが人情です。

これも、買取業者の場合は、荷物や残置物があればあっただけ買取金額を安く交渉する材料になるから、そう書いてあるだけです。

1-5 「契約から引き渡しまでの期日も売主様の都合で」なんて、あるわけない

自分が住むための家を買う人が、契約してから引き渡しまでの日程を売主の都合に100%合わせるなんてありえないでしょう。

引っ越しが終わるまでの家賃を売主が負担してくれるわけでもないですし、転勤や転校が関係するのであればなおの事。いつまでに引越しできるのかは大事な要素のはずです。

これも、買取業者であれば、そうやって売主の都合に合わせる事で売りやすく(買いやすく)するためのセールストークです。

契約をしてしまえば、「やっぱり売るのを辞めます」となる可能性も低くなります。辞めるためには手付金の倍返しが必要ですからね。

1-6 「現金で購入」できる人が、そうそう見つかるものではない

こういったチラシには「現金で購入するので安心です」なんて言葉が入っています。

個人の方でマンションを現金で購入する人が、そうそう世の中にお見えになる事もなく、いたとしても、そういった人たちって「このマンションが欲しいっ!」って感じではなく、自分が欲しいと思ったタイミングで売りにでているマンションから気にいったマンションを買うって感じです。

買取業者さんの場合は実際に現金で購入することが多いので、こういった文章が入っているのですが、個人の方に住宅ローンを使って買ってもらうことで何か不具合があるわけでもなく、むしろ住宅ローンが使えないような人を例に出して「探してますっ!」って売り煽りする方が問題だと思うのですが、いかがでしょう。

2. 売却チラシの全部がウソではない

「限定1バージョン」のチラシは99.99%ウソですが、その他の売却チラシも全てウソなわけではありません。

ホンキで売却物件を探しているチラシもあるので、その見極め方をご紹介していきます。

2-1 「売却物件を探しています」は信頼できる

「限定1バージョン」のようにピンポイントでマンション名を書いてあるのではなく、「売却物件を探しています」という内容のチラシは本当に「売却物件」を探しています。

その理由は、不動産会社は、不動産を売買したり、売買の仲介をすることで利益を得ているため、常に自社で買取できる物件や仲介できる物件を探しています。

ただし、「売却物件を探しています」というのは本当のことですが、限定1バージョンのチラシと同じく、どこのマンションにもポスティングはしています。

そして、売却物件を探しているからといって、自分のマンションを買い取ってくれたり、売却を成約させてくれるのかは別問題です。

2-2 「この学区限定で探しています」はグレー

マンション名を名指しするのではなく、「この学区限定」の表現でポスティングされることもあります。

人気のある学区のマンションは、どんな時でもある程度の購入ニーズはあります。そのため、不動産会社としては常に売り物件の在庫を持っていたいのは事実です。

ただ、マンション名を名指ししたチラシよりも、「学区限定」という汎用性のあるキャッチコピーの方がチラシを作る効率がいいため、確実性においては疑問符が付きます。

2-3 「高額査定」はウソ

誰でも自分の資産は高く売りたいものです。そのため、チラシに「高額査定」と書かれていると、心が揺さぶられるものがあるでしょう。

ですが、「高額査定」=「高額成約」ではありません。

成約価格はあくまでも、売却のタイミングやマンションの人気度、室内の状態など、さまざまな要素が絡み合ってのものです。

過去に何度も書いていますが、不動産の査定価格は、査定をした不動産会社が「売れるだろう」と予想する価格です。売れなかったとしても不動産会社にはなんの責任もありません。典型的なのが、不動産の一括査定サイトを利用した際の高額査定の乱発です。
【参照】失敗せずに一括査定サイトを利用するための5つのポイント

室内の状態がなにも分からない状態で「高額査定」をキャッチコピーにしているチラシは信用しないのが一番です。

3. うっかり査定依頼をしてしまったら

人間だれしも「うっかり」はあるものです。

「限定1バージョン」などのチラシに「うっかり」騙されて査定依頼をしてしまった場合の対処方法を書いていきます。

3-1 購入希望者の素性を聞いてみる

「買いたい人がいる」とチラシに書いてあるので、どんな人が買いたいと言っているのか、素性を聞いてみてください。

恐らく、「詳しいことは媒介契約を結んでから」とか言って、口を濁すと思います。

なにも、購入希望者の住所・氏名・年齢・職業などの個人情報を教えろと言っているわけでもないので、あやふやなモノの言い方で、とにかく媒介契約を(ましてや専属専任や専任で)結ぼうとする業者であれば、さっさと帰ってもらってください。

3-2 それでも粘るなら媒介期間は1ヶ月と言ってみる

それでも帰らない場合には、「媒介契約の期間は1ヶ月で大丈夫ですよね?」と言ってやってください。

そもそも、チラシに「1組います」と書いてあるのですから1ヶ月あれば十分です。週末は4回含まれるのですから、その間に確実に内覧は入るはずです。

4回の週末に「予定が会わなくて…」とか適当な理由を付けて内覧が入らないのでしたらウソ確定です。「熱望しとったんじゃないのかっ!」って感じです。

専属専任や専任媒介の媒介期間は「最長」3ヶ月です。それより短い期間であれば、1週間でも問題はありません。

それを「弊社の規定で」とか「購入希望者の都合が」とか、うだうだと屁理屈を並べるような不動産会社であれば、とっととお引き取りを願って、他の不動産会社を探した方がいいです。

まとめ

今回は、「マンション売りませんか?」などと書かれた、マンション売却のチラシの内容に関して書いてきました。

不動産の購入に関してのチラシは、表現方法や記載内容に関してかなり厳しい制約があるのですが、売却に関してのチラシはほとんど野放し状態です。

売却チラシをポスティングしている会社がクロやグレーと言うわけではありませんが、売主を騙したり勘違いさせるようなチラシをポスティングし続けるのはいかがかと思う部分はあります。

以前にも書いたこちらのブログも参照していただければ幸いです。
【参照】「このマンションを探しています」売却チラシに騙されない方法は

マンションの売却をお考えの際には、ポスティングされたチラシを安易に信用するのではなく、信頼できる不動産会社かどうかを見極めたうえで依頼をするようにしてください。

また、売却に関しての疑問・不安があるのであれば、お気軽にお問い合わせください。精一杯のお手伝いをさせていただいきます。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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