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猛暑の夏に不動産は売れるのか?今だからできる対策をご紹介

「夏は不動産が売れにくい」と言われがちですが、それは事実です。なんせ異常なほどの暑さが続き、ムダに外には出たくはなくなります。暑い時期だからこそムダなあがきはせずに、秋以降のチャンスに向けてやれる対策をしておきましょう。今回は、どうして夏は不動産が売れないかの再認識とともに、今だからできる対策をご紹介していきます。

1. 本当に夏は売れないのか

感覚的には「夏は売れない」と思っているのですが、ちょっと客観的なデータも見てみましょう。

1-1 こんな時にはレインズを見てみましょう

不動産の客観的なデータと言えばレインズです。2021年~2024年までの中部圏の中古マンションの市場動向をまとめたデータを見てみましょう。


【参照】中部レインズ季刊サマリーレポート 2023年7~9月期
【参照】中部レインズ季刊サマリーレポート 2024年10~12月期

各年を四半期ごとに区切り、「成約件数・新規登録件数・在庫件数」をまとめた表になります。

多少の傾向のズレはあるものの、基本的には各年ともに「1年の中で、7~9月期は成約件数と新規登録件数が1番少なく、在庫件数は1番多い」状態です。

簡単に言ってしまえば、「夏は1番売れなくて、売ろうと思う人も少なく、売れないから在庫も膨らんでいる」状態です。

「こんだけ暑ければ、家を買おうとも思わんし、手間をかけて家を売ろうとも思わんわなぁ」と感じていたことがデータでも証明されていることに、ホッとするような、やっぱりかぁと思うような、微妙な感じです。

2. 夏が売れない理由を考えてみる

どうして夏は不動産が売れないのかを、独断と偏見で考えてみます。

2-1 単純に暑いから

これだけ暑い日が続くと、何もしたくなくなりませんか?

エアコンの効いた部屋から灼熱の車に乗り込んで出かけるのがホントにイヤになる毎日です。

居住中の物件でしたら売主さんがエアコンを点けておいてくれるでしょうから大丈夫なんですが、そもそも居住中の物件って売主さんが内覧の場にいて落ち着いて見られないために人気がないんですよね。

となると、必然的に空き家の物件を内覧する率が高くなるわけです。

午前中ならまだしも、午後になったら結構シャレにならない暑さです。

1軒目の内覧が終わって「さぁ、次に行きましょうか」の気にもならないでしょうね。たいてい僕もお客さんも汗だくですから。

30度を超える真夏日が続くような時期になれば内覧の問い合わせも少なくなり、結果として不動産が売れなくなるもの致し方ないですよね。

2-2 夏休みの週末は忙しい

とは言うものの、夏休みになると皆さん暑い中でも遊びには行きます。

お子さんが中学生や高校生ぐらいになると、部活や友達と遊びに行くなどの用事ができてきて、「家族みんなでお出かけ」も減ってくるかもしれませんが、小学生ぐらいまででしたら、「今度の土日はどこへ遊びに行く?」って会話が交わされるんでしょうね。

そして、中古マンションを購入するメインターゲットって、お子さんが小学生ぐらいまでの方が多いような気がします。

そのため、学校が夏休みになる7月の20日過ぎ頃からは「あぁ、また今年もヒマになるのかなぁ」と黄昏るような感じです。

2-3 お盆休みもありますね

実家へ帰省したり、国内・海外へ旅行へ行ったり。毎年恒例の一大イベントですよね。海外旅行の人なんか、ヘタをすれば去年の段階から準備したりしてますよね。

そんな一大イベントが控えているのなら、「家を見に行こうっ!」なんて思うヒマもなく、旅行の準備に忙しいのではないでしょうか。

行く前にはウキウキ・ワクワクして、帰ってくれば虚脱感満載なんですかね。

毎年ニュースで見ながら、「みんな金持ってんじゃん」って独り言をいってます。

2-4 気持ちの中での予算配分

帰省や旅行だけでなく、夏休み中に遊びに行くために必要な予算があります。

そういった時には財布の紐も緩みがちになる前提で、みなさん他事にはなるべくお金を使わないようにするんじゃないですか。

家やマンションを買う金額と比べれば微々たるものでしょうが、普段の生活よりは大きな単位でお金が出て行くのは間違いないです。


なんかね、50過ぎのオジサンには、最近の人たちの金銭感覚がよく分からないです。

「お米が高くなった」と言いながらスタバでフラペチーノを飲んでたり、「家を買うお金なんてないよぉ」と言いながら残クレでアルファードに乗ったり。

自分が住むための家に対してのお金よりも、目先の楽しみのためにお金を使うことを優先してるような気がします。

なんだかなぁとは思いますが、気持ちの中での予算配分に負けているのは確かな気がします。

3. でも、売れる不動産もあります

夏だからと言って全く不動産が売れないわけではないです。夏でも売れる物件の特徴です。(これも独断と偏見です)

3-1 希少エリア

実際のところ、中古マンションを探している人は学区限定で探している人が多いです。

そして、学区限定で探すと、ホントに中古マンションの無い学区があって、そんなエリアで売りに出た中古マンションは、売れる・売れないは別として、真夏であっても問い合わせは入ります。

やっぱり、「マンションは立地で買え」はホントです。

3-2 ピンポイント物件

頻繁にポスティングされる「このマンションを探しています」ではないですが、ピンポイントで探している人は実際にいます。

タワマン系の最上階だったり、学区内での人気のマンションだったり。

そんなピンポイント物件であれば、夏であろうが冬であろうが、売りに出せば必ず問い合わせは入ります。

実際のところ、99%ウソのポスティングチラシを信用して売りに出すような人はいないでしょうから、狙って売りにだすことは不可能ですけどね。「そういったケースもあるよ」程度に覚えておいてください。

【参照】相変わらず届く「マンション売りませんか?」チラシ…内容は99%ウソですよ

3-3 お値打ち物件

相場、相場と言いますが、はっきり言ってしまえば「売れた値段が相場」です。

競合物件の価格と比べてみたり、成約事例を調べてみたり。売主さんと色々と相談しながら決めた値段も、問い合わせがなければ「高かった」になります。

一方でごく稀に、問い合わせの電話で「これって安いよねぇ」と買主さんから言われる時もあります。

そんな時には、「そうかなぁ、こんなもんじゃないか?」と思いながらも、「そうですね、なかなかいい感じの値段ですよねぇ」と話しを合わせておきますけどね。

結局のところ、不動産なんて「限定1、再入荷未定」の商品なので、たった1人の買主に気に入ってもらえれば勝ちなんです。

そんな、たった1人の買主さんに「お値打ち」と思われた物件には、真夏の暑いさなかでも問い合わせは入ります。

3-4 街並みとのマッチング

単純に、「高いから売れない」「安いから売れる」だけではなく、周りの街並みとのマッチングも大切です。

戸建てでもマンションでも、「その場所に住みたい」と思った人が買っていきます。

例えば、土地の広さや建物の築年数などで適正な価格であったとしても、下町でピカピカの戸建てやマンションを売りに出したとしても、やっぱり苦戦はするんですよね。

逆に、いくら安い値段だとしても、高級住宅街で古すぎる物件を売りに出せば、やっぱり苦戦はします。

街並みにマッチした不動産を適切な価格で売りに出せば、時期を問わずに問い合わせは入ります。

4. 夏の売却でやっておきたいこと

問い合わせが入らないからこそ、今のタイミングでやっておきたいこともありまs。

4-1 気持ちとしては守りの姿勢で

問い合わせが入らなければ、売主としては焦る気持ちも大きくなります。

ですが、時期的にも問い合わせは確実に減る時期なので、この時期にムリに焦っても意味は無いです。

「暑いし、まぁしょうがないか」ぐらいの、ゆったりとした気持ちで、まずは暑い夏を乗り切ることを考えてください。

4-2 暑いからできること

暑い日が続くので、正直なところでは何もしたくはないと思います。エアコンの効いた涼しい部屋で昼寝をしているのが1番ですよね。

でも、朝や夕方などの「ちょっとだけ涼しいかな?」と錯覚できるような時間に、暑いからこそできることをやっておきましょう。

それは、キッチンの換気扇とガスコンロの掃除です。

最近では「大掃除は年末ではなく、秋にやりましょう」とも言われ始めています。

たしかに、この暑さで、こびりついた油汚れも取りやすくなっています。

古くなって酸化した油の臭いは鼻につくもので、内覧の際のキッチン全体の印象も悪くなってしまいます。

時間を見つけてチマチマとでも掃除をしておいていただければと思います。

4-3 秋に向けての準備を

問い合わせはが増え始めるであろう秋に向けての準備もしてみましょう。

荷物の整理をしてお部屋の中をスッキリとさせて、広告用の写真も撮り直してみましょう。ポータルサイトでの印象も変わって、問い合わせに結び付くかもしれません。

夏の暑さですぐに乾くので、カーテンも洗濯してみましょう。レースのカーテンは案外と汚れているものです。ホコリが取れるだけでも内覧時の印象はアップします。

4-4 値下げは9月になってからで

実家に帰った際に親から言われたり、久しぶりに会った地元の友人が家を買っていたり。

そういったことに触発されて、家に帰ってきてから「パパっと、ササッと」探した人から、案外に問い合わせが入ったりするものです。

「お盆明けには問い合わせが増えるので」と言う担当者もいるでしょうが、ちょっとだけ様子を見てみて、値下げをするなら9月からでもいいと思います。

まとめ

なんとなく思うがままに、「夏は暑くて売れないなぁ」といった内容で書いてみました。

どこまで当たっているのか、どれだけ参考になるのかは未知数ですが、何かの参考になれば幸いです。

実際に、「売れなくて困ってるんです」って時には、お気軽にお問い合わせください。一緒になって考えましょう。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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