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買ったばかりのマンションを売却すると損?得?後悔しないための注意点とは

失敗したとまでは言えずとも、「買ったばかりのマンションだけど売却したい」と思うこともあるはずです。購入から間もないマンションを売却する際にはリスクと判断材料があります。今回は、売却で損をしないための注意点や、どんなケースなら得をするのかなどを解説していきます。後悔のない判断をするために、ぜひ参考にしてください。

1. 買ったばかりのマンションを売却する理由

売却理由は人それぞれですが、比較的多く聞かれる理由を見ていきましょう。

1-1 住んでみて気づいた不満

慎重に内覧をし、自分の理想に100%叶うマンションがないのは承知したうえで購入をしたはずでも、実際に住み始めてから気づく不満点も出てきます。

間取りや近隣の生活環境が致命的な不満になることは少ないでしょうが、陽当たりや騒音、他の所有者との問題などが想像以上に大きな不満になってしまうと、「この先何十年もここに住み続けるのは難しいな…」との結論にたどり着いてしまうこともあります。

1-2 家族構成の変化

比較的若い家族、とくに30代で子どもがいない夫婦の場合には要注意です。

体調の問題で「子どもができない」のではなく、「子どもは作らないので」と言っているご夫婦に遭遇すると、「この人たち大丈夫なのかしら?」と思うことがあります。

子どもを作らず、夫婦2馬力の収入での返済を前提にマンションを購入すると、ちょっとした不注意で前提条件が崩れることがありますよね。

「部屋が足りなくなった」は、まだまだ前向きな理由ですが、「返済がキツクなった」は、自分たちの認識の甘さが招いた自業自得だと思います。

1-3 資金計画の甘さ

戸建てと違って、マンション特有の管理費や修繕積立金、駐車場代などが想定以上に重荷になる人がいます。

築20年~30年ぐらい経ったマンションだと、修繕積立金の値上げもひと段落着いた時期ではありますが、新築や築10年ぐらいまでのマンションの場合では、想定以上に値上げされるケースもあります。

築浅のマンションを購入する場合には、管理費で1.5倍、修繕積立金で2倍までの値上げは想定したうえでの資金計画をしておいた方が無難だと思います。

1-4 転勤になった

不動産あるあるです。

「家を買って転勤が決まると困るから買わない」って言う人もいますが、実際には家を買った人を狙い撃ちして転勤されるような会社はないでしょう。

家族を残しての単身赴任であれば問題はないのかもしれませんが、家族の事情や、転勤する場所や年数によっては売却せざるを得ない場合も出てきますね。

1-5 離婚する

3組に1組が離婚をして、婚姻期間が5年未満のカップルの離婚割合が3割を超えるようです。そんな状況であれば、離婚を原因としてマンションを売却することもあるでしょうね。

一般的な、旦那さんの単独名義で購入したマンションであれば、オーバーローンの状態でもたいして問題にはなりませんが、収入合算やぺアローンを利用してマンションを購入した場合には要注意です。

「キレイに離婚する」ためには色々と注意することがありますので、お気を付けください。

【参照】ぺアローン中の夫婦が離婚の際に注意すべきポイントと解決策

【参照】離婚時のペアローン問題:オーバーローンにどう対処する?

2. 買ったばかりのマンションの売却は損?得?

基本的には「損」です。売却しなければならない特段の事情がないのであれば、最短でも10年は住んでから売却した方がいいと思います。

不動産の価格が高騰してきているので、YouTubeなどで「こんなに高く売れて得しましたぁ」とか言っているユーチューバーがいるようですが、そんなのは極々一部の激レアケースです。

3. 買ってすぐ売却すると損をする理由

損をする理由は多々ありますが、主な理由を3つご紹介します。

3-1 買ってすぐは値落ち率が高い

築年数が浅ければ浅いほど、買ってからの値落ち率が高くなります。

身近な例として、車で考えると分かりやすいと思います。

新車を買って3年後の最初の車検で売るのと、3年落ちの中古車を2回目の車検(7年目)で売るのと、7年落ちの中古車を2回目の車検(11年目)で売った場合を比較すると、新車の場合が一番値落ち率が高くなります。

何事も、新品には新品プレミアがつき、価格も「プレ値」となっています。新築分譲に人気だったマンションの場合であれば、だいたい築5年ぐらいまではプレ値が付いているケースもあります。

新築・築浅の時に頑張って買った人ほど値落ち率が高いので、買ってすぐの売却ではより一層に損をしやすくなります。

3-2 「税金」は大抵なんとかなる

マンションを売却して利益を得た(高く売れて得をした)場合には、譲渡所得税が課税されます。

 譲渡所得 売却した金額-(購入時の価格+売却に掛かった費用)-特別控除額

譲渡所得税は所有期間によって税率が異なり、所有期間が5年未満の場合には「約40%」。5年以上の場合には「約20%」が課税されます。

例えば、所有期間4年のマンションの売却価格が3,000万、購入時の価格が2,000万。売却時の諸経費が100万だったとすると

3,000万-(2,000万+100万)=900万×約40%=360万

360万円という莫大な税金が課税されます。

ただ、居住していた不動産を売却した場合の譲渡所得には、特別控除として「居住用財産の3,000万円特別控除」が利用できます。

【参照】居住用財産の3,000万円特別控除

この控除は、譲渡所得から3,000万円を差し引いて計算することができ、上記の例では、「900万-3,000万=-2,100万」となり、結果的には非課税となります。

ただし、居住用財産の3,000万円特別控除には注意点があり、住宅ローン控除との併用は不可です。

住み替えのためにマンションを売却した人が住宅ローン控除を利用できる新居を購入した場合には、どちらの控除を利用するのが得なのかを計算する必要があります。

とは言うものの、今のご時世に譲渡所得が発生するような不動産売買自体が極レアケースです。実質的に、譲渡所得税は気にしなくてもいいと思います。

3-3 オーバーローンのケースが多い

マンションを購入後に早々に売却するようなケースでは、オーバーローン状態になっている人が大部分でしょう。

オーバーローンの状態ではマンションを売却することはできないため、オーバーローンの部分を補填する必要があります。

手元に現金がある人は別ですが、そのような人もごく少数でしょう。

車を処分して現金化する、カードローンなどを利用するなどなど、個人が銀行からお金を借りるにあたって、1番低金利で借りられる住宅ローンを返済するために、金利の高い別の方法でお金を工面することになり、どう考えても得をするとは思えません。

住み替えのための売却であるのでしたら、住み替えローンやダブルローンなどの利用を考えてみてもいいと思います。

【参照】マンションの売却で失敗しない!住み替えローンとダブルローンの選び方

4. 買ってすぐの売却でも得する場合は

「得」するケースはどんな理由から得をするのでしょう。

4-1 開発計画が持ち上がる

イオンやららぽーとなどのショッピングモール系ができると、人気エリアになって値段が下がりにくく、場合によっては高く売れることもあります。

人間だれしも便利なところに住みたいものですから、こういった生活施設が「購入後」に発表されると「売却益」を狙えるようになるかもですね。

ただ、こういった大規模施設が作るためには、工場跡地など大きな土地が出てくる必要があるので、開発されなければただの「不便な場所」です。

狙って買えるものではないので、買っていたらラッキーぐらいのものですね。

4-2 新築プレミアを転売ヤー

新築分譲時に抽選販売になったようなマンションであれば、引き渡し早々に売却をすれば得をすることができるかもしれませんね。

ただ、2025年5月現在で物件在庫を見ると、金利が上がってきたからなのか、転売を狙って(?)所有していた物件や、オーナーチェンジ物件でかなりの数が売りに出されています。利回りが悪くなってるんでしょうね。

中国の景気も先行き怪しくもなってきているので、なかなか転売で儲けるのも難しくはなってきたのかなぁと思います。

実需で仕事をしている身としては、健全な市場価格になってくれればいいんですけどね。

4-3 築古リノベの売れ残り

築古マンションを不動産会社が買取って、リフォーム・リノベーションを施して販売する「業者物件」。

不動産の目利きとしてはしっかりとしたものを持っているはずの不動産屋さんですが、必ずしも百発百中ではありません。

見込みが外れて値下げを繰り返す物件も、年に何件かは出てきます。

そんな業者物件で、値下げを3回ぐらいしたリノベマンションを買った人は、購入後早々に売却をしても結構な確率で得をするのではと思います。

住みたくもないエリアで、住みたくもない間取りのマンションを、値下げしたからと言ってムリに買う必要は全くありませんが、探しているエリアで「業ブツの売れ残り」があったら検討してみてください。

売っているこちらが、「なんでこんなに安いのに売れないんだろ。10年後に売ったら絶対に利益が出るのに」と思っているマンションもありますよ。

5. 後悔しないための判断ポイント

売却するかどうかを「損・得」だけで判断するのは考えモノですが、売却してしまってから後悔しないためのポイントを紹介します。

5-1 売却理由を明確に

「なぜ今、売却するのか」をはっきりさせることは大切です。

転勤や家族構成の変化、その他のやむを得ない事情なのか。それとも一時の感情的な判断なのかを冷静に考えてみましょう。

全ての売却がスムーズに進むわけではありません。売却理由が明確になっていないと販売活動中にも考えがブレてしまって、思いもよらないトラブルになってしまうかもしれません。

5-2 資産価値と将来性を見極める

「損・得」ではなく、住み続けることでの資産としての価値や将来性にも目を向けることも大切です。

評判のいい学区や、周辺の生活施設の充実度。大きな工場や空き地があるようであれば、ひょっとしての開発計画など。

民間の開発計画はギリギリまで秘密裏に動くので察知するのはなかなか難しいですが、行政がかかわるような開発計画であれば調べようがあります。

価値が上がってから売却してもいいですし、住みやすくなるのであればそのまま住み続けるのも一考です。

何事も焦らずゆっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ムリをして買って行き詰まったのか、高く売れるからと煽られて売却するのか。真相を知ることはなかなかできませんが、最近は築浅マンションの売却物件が増えてきているのは事実です。

どうせ売却をするのであれば、損をするよりは得をしたいのが人情。何か悩み事がある時にはお気軽にお問い合わせください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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