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どうしてマンションの売却は疲れると言われるのか。理由と解消方法を考えてみる

マンションの売却は想像以上に手間と時間がかかることが多く、「思ったより疲れて大変だった…」と感じる人も少なくありません。今回は、マンションの売却が「疲れる」と言われる理由と、それぞれの理由に対しての解消方法をご紹介しますので、これからマンションの売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1. 1. よく聞く疲れる理由

不慣れな「マンションの売却」で疲れたと感じる理由は人それぞれですが、よく聞く理由には以下のようなものがあります。

・専門知識が必要になる
・販売期間が不透明
・内覧の準備
・必要書類の準備や手続き
・信頼できる不動産会社が見つからない

1-1 専門知識が必要になる

たしかに、マンションを売却するためには専門的な知識が必要にはなってきます。

・売買に関しての民法や商法
・不動産の売買に関しての宅地建物取引業法
・登記に関しての知識
・銀行での手続きに関しての知識  などなど

大部分の売主さんが初体験のマンション売却ですから、それに必要な知識を持ち合わせているはずもなく、必要な場面に遭遇するたびに「そんなこと知らんけど…」と、イラっとすることもあるでしょう。

マンションを売るだけではなく、売ってからの生活の事を考えたり、いつ売れるんだろう、いくらで売れるんだろうと、いろいろな不安を抱えた状況において、知らない知識を求められてしまっては疲れるのもやむを得ないことだと思います。

1-2 販売期間が不透明

売却をスタートしてすぐに内覧が入り、すぐに契約を結ぶことができればいいのですが、そんなケースは今となっては遠い昔のおとぎ話のようなものです。

売却スタートから半年以内ぐらいで契約にたどり着けば、今の時代ではかなり優秀です。

居住中なのか空き家なのか。築年数や立地、販売価格などの条件によっては、1年以上の期間がかかることも少なくはありません。

売却期間が長引けば長引くほど「本当に売れるのかな?」と不安になってしまい、精神的な面で疲れを感じてしまうでしょう。

1-3 内覧の準備

「マンションの売却においての内覧対応は大切ですよ」と言われているように、内覧への対応はホントに大切です。

内覧の日程は可能な限り買主の希望に合わせた方がいいですし、お部屋の中の整理整頓や清掃も滞りなく済ませておく必要があります。

例えば、毎週末に1件の内覧が入ったとすると月に4回の対応。これだけでも相当な苦労が想像できます。

実際の契約にたどり着くまで毎月毎月このペースで内覧が入ることは無いでしょうが、月に1回、2回の内覧対応だけでも結構大変なことです。

そして、内覧に備えての掃除と、実際の内覧対応のために毎回かなりの時間を必要とすることも疲れる原因になってきます。

1-4 必要書類の準備や手続き

売却するために準備する書類が多いことも疲れる原因となります。

状況になって多少は異なりますが、一般的に準備をしなければならない書類としては

・本人確認書
・登記簿謄本
・印鑑証明
・住民票
・権利証または登記識別情報
・購入時の売買契約書
・マンションの管理規約などの書類
・固定資産税納付書または固定資産税評価証明書
・ローン残高証明書

このあたりの書類はほぼ必須となってきます。

自分が所有している書類もあれば、市役所や法務局などにわざわざ平日に出向いて取得しないといけないものもあり、書類を揃えるだけでも「疲れるなぁ」の感覚になってしまうでしょう。

1-5 信頼できる不動産会社が見つからない

「不動産会社の担当者がなぁ」で、疲れる人もいます。

「知ってる会社だから」「大きな会社だから」でも、実際の売却を担当してくれる担当者によって知識や対応力、提案力は異なってきます。

なかには「この人に任せて大丈夫か?」と不安になるような担当者もいるようです。

複数の不動産会社を比べることができる一括査定サイトもありますが、しつこい営業電話が急増するなどのデメリットもあるようです。

【参照】【体験談】売却依頼をくれた顧客さんが、うっかり一括査定をやってしまった実話

2. 疲れないためのポイント

けっしてラクをしたいわけではないけれど、できれば疲れずにマンションの売却を終わらせたいものです。

2-1 専門知識は担当者との相性でカバー

べつに、一般の売主さんが専門知識を見つける必要はないかと思います。

売主さんが分からない部分を補い、無事に売却を終わらせるためにお手伝いをするのが不動産会社の務めです。

身近なところで見かけませんか?分からない相手に専門知識をひけらかしてドヤ顔をするような人。もし、不動産会社の担当者がそんなタイプの人だったら、さっさと媒介契約を破棄して他の会社に依頼をした方がいいです。

売主さんは売却に関しての知識はないものとして考え、少しでも分かりやすい説明をするのが担当者としての礼儀であり務めだと思います。

身近な例に置き換えて「例えば、それはこんな感じのことです」「ちょっと違いますが、こんな感じのニュアンスです」とか、伝え方はいくらでもあるはずです。

売主さんが100%理解する必要もないと思います。ある程度自分の中で納得できるラインまでの説明が受けられたら「あとはこの人にお任せしよう」でいいのではないでしょうか。

売却期間内には分からないことが都度出てくると思います。そんな時にも気軽に相談でき、的確なアドバイスがもらえるような担当者であれば、「分からないことばかりで疲れるなぁ」というようなことにはならないのではないでしょうか。

2-2 販売期間は値段との相談

販売期間が長期に渡る最も大きな原因は販売価格が高いことです。

早く売却をしたいのに、短期間で契約になってしまうと「もっと高い値段で売れたんじゃないか」と疑ってみたり。

ちょっとでも高く売りたいから、相場を探るためにも高めの金額で売り出しをしてみたり。

一括査定を使って、「あそこの会社の査定はもっと高かった」と言ってみたり。

相場、相場と言いますが、査定の価格や売りたい金額が相場ではありません。今の時代では「売れた金額が相場」です。

高く売りたいのであれば粘る。早く売りたいのであれば売れる金額で売る。

この鉄則を分かったうえで売却価格を設定すれば、「いつまでも売れなくて疲れる」は無いはずです。

2-3 内覧対応がイヤなら空き家にする

内覧対応で疲れるのがイヤならば、空き家にするしかありません。

その場合、住み替えを希望するのであれば、売却益を見込んでの「売り先行」での住み替えはできません。「買い先行」での住み替えになります。もしくは、いったん賃貸へ入居するかですね。

買い先行ではなく、賃貸へ入居する場合は想定外の余分なお金が発生しますが、「毎回掃除を頑張るのもだるいなぁ」とか、「遊びに行きたいのにスケジュールを空けるものめんどくさいなぁ」とか、自分の都合を優先したいのであれば致し方ないです。手間を取るか、お金を取るかです。

そういった意味では、売却しての住み替えを考える場合には「ダブルローンの利用」がオススメなんですけどね。

【参照】ダブルローンでマンション住み替え!成功のための賢い利用法ガイド

2-4 書類の準備はゆっくりで大丈夫

書類の準備もそんなに慌てる必要もなく、のんびりとやってもらえば大丈夫です。

書類ごとに必要になる時期の目安としては

・本人確認書:媒介契約を結ぶとき(免許証、マイナンバーカードでOKです)
・登記簿謄本:たいてい不動産会社が取得してくれます
・印鑑証明:契約が終わってから
・住民票:契約が終わってから
・権利証または登記識別情報:できれば媒介契約を結ぶとき。間に合わなければ売買契約までに
・購入時の売買契約書:契約した翌年の確定申告時
・マンションの管理規約などの書類:媒介契約を結ぶとき
・固定資産税納付書または固定資産税評価証明書:契約が終わってから
・ローン残高証明書:媒介契約を結ぶとき

準備する書類は多いのですが、案外期日に余裕があるのが分かりますよね。慌てる必要は全然ありません。

住民票と固定資産税評価証明書は、委任状を書けば不動産会社の担当者が取ってきてくれます。印鑑証明も、印鑑手帳を渡せば代理取得できます。

役所で取得する書類は取得してから3か月以内のものが必要になるので、むしろ早く取得してしまうと2度手間になる場合もあります。

権利証または登記識別情報に関しては気を付けてください。ときどき紛失している人がいます。

その場合には、司法書士に余分にお金を払って書類を作成してもらう必要があり、作成するにも時間が必要です。早めに書類があることを確認するようにしてください。

3. ストレスフリーの売却方法

販売期間の長期化や内覧対応で疲れるのがイヤなら、買取での売却を考えるのがストレスフリーです。

3-1 買取ならストレスフリー

「マンションを売りたいんだけど、いろいろめんどくさいのはイヤだなぁ」と考える人には、マンションの「買取」がおススメです。

3-2 買取のメリット

買取にはいろいろなメリットがあるのですが、「疲れたくない」に重点を置いた場合のメリットとしては

 短期間で売却を完了させられる 不動産会社がマンションを直接購入する「買取」でしたら、契約から引き渡しまで最短で1週間程度で完了させることも可能になります。

急に決まった転勤や、離婚の財産分与に絡んでの売却など、短期間でマンションを売却して現金化したい場合には有効な売却方法です。


 内覧への対応が不要になる マンションを購入するのは不動産のプロである不動産会社です。マンション名と部屋番号が分かれば、おおよその買取価格はすぐに分かってしまいます。

あとは、念のために室内のコンディションを確認すれば最終的な買取価格は提示できますので、内覧に対しての掃除やお部屋の整理整頓も不要です。

とにかくめんどくさいのはイヤって人にはおススメです。

3-3 買取のデメリット

簡単にマンションの売却を終わらせることができる買取ですが、デメリットもあります。

 仲介よりは安くなる 買い取ったマンションをリフォームして再販売し、その利益を得ることが目的の買取なので、買取価格は仲介での売却と比べれば安くなってしまうのはしかたありません。

ただ、安くなるとは言いつつも、実際の価格差はどれぐらいになるのでしょう。

一般的には仲介の3~4割ほど安くなると言われていますが、実際にそこまでの価格差があるのかなぁというのが実感です。


 売却価格に納得しづらい 「仲介より安くなる」に付随する内容ですが、買取業者からの買取価格に対しての納得感?が得られにくい部分があります。

仲介のように、世間一般の目に触れるように広告宣伝を行った結果の「契約」ではないため、どうしても「この値段って妥当なのか?」と、疑問に思ってしまう人もいるでしょう。

少しでも納得感を得ようと思うのであれば、複数の買取業者に価格を提示してもらう「相見積もり」をすれば、多少は納得感が得られるのではないでしょうか。

3-4 仲介と買取、どっちを選ぶか

どちらの売却方法にもメリット・デメリットがあります。どちらの方法が自分に合っているのかを、最も手っ取り早く判断する方法は

・めんどくさいのがイヤなら買取
・少しでも高く売りたいなら仲介

この考え方でいいと思います。

もっと詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

【参照】不動産を売却する際の仲介と買取の選び方のポイント

4. 売却に伴う都市伝説を考察してみる

未経験の事に対しての不安感や、身近なところに経験者がいないことも多いマンションの売却では、いろいろな都市伝説が溢れています。

目についたものに関して少し解説していきます。

4-1 売れない時には媒介契約を見直す

「このマンションを売ってください」と、不動産会社に依頼する契約が媒介契約です。

媒介契約には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があり、それぞれに特徴があります。
【参照】閑話休題 媒介契約ごとの特徴を理解する

世間では、「売れない時には、専任、専属専任を選んだ方が不動産会社が一生懸命に売ってくれる」と言われていますが、はたして本当なのでしょうか。

今の時代の不動産会社で、「専任や専属専任だから頑張る」「一般だから適当に」なんて考えるような不動産会社は皆無でしょう。

むしろ、一般媒介の方が「他社に負けないように」と頑張るんじゃないかなとすら思います。
【参照】不動産屋がホンネで語る、一般媒介が不動産売却に最適な理由

それよりも、一括査定サイトを使っての査定の方がヤバいような気がします。
【参照】失敗せずに一括査定サイトを利用するための5つのポイント

4-2 内覧しない売却方法

「内覧の準備や対応で疲れるようなら、内覧をしなくても売却できる方法も選べますよ」と、宣伝する不動産会社もあるようです。

事前にGoProやシータなどを利用してパノラマ画像を作って閲覧できるようにしたり、担当者がスマートフォンやパソコンなどを使って案内をする「オンライン内覧」のシステムなどを利用することを言っているようです。

ただ、これはあくまでも売主の都合であって、買主の目線で考えれば、やはり現地を実際に確認しない事には「このマンションを買おうっ!」の気持ちにはならないでしょうね。賃貸なら別ですけど。

どうしても内覧に対応するのが苦痛で、精神的なストレスが我慢できないようでしたら、申し訳ありませんが「引越しして空き家」にしてください。

その方が買主さんもゆっくりと気兼ねなく内覧できますし、スケジュール調整もラクになります。

4-3 契約がキャンセルされる

マンションの売却の大きなステップとしては

①販売スタート
②購入申込
③ローンの事前審査
④売買契約
⑤引き渡し

この5つのステップです。

契約のキャンセルとなると④のステップ以降になるのですが、考えられる理由としては次の2点です。

・ローンの本審査が不承認だった
・買主の気が変わった


 ローンの本審査が不承認だった 通常の住宅ローンであればまず大丈夫なのですが、僕の知っている範囲でのケースとしては

①ネットバンクを使った
②収益物件をメインで扱っている不動産会社だった

この2つのケースでは「事前審査OK、本審査NG」は発生するようです。

ネットバンクの事前審査はもともと結構いいかげんなようで、物件の担保評価が怪しいケースが多いみたいです。特に古いマンション(いわゆる旧耐震のマンション)の場合には「本審査NG」の可能性が高くなるため要注意のようです。

収益をメインで扱っている業者さんの場合、普段利用しているローンが「事業系」になり、「住宅ローン」とはまた違った取り扱いになるため、いろいろと勝手がわかっていないためです。

そして、収益の業者さんって、契約を飛ばすことに関しての申し訳なさが低い傾向があるようで、「ローンが否決だったんでローン特約で白紙解除してください」って簡単に言ってくるらしいです。(怖)


 買主の気が変わった 人間ですからね、気が変わることもあるでしょうよ。

でも、これは買主側の不動産会社の責任も大きいと思います。

「ゴリっ」と契約を迫ったのかもしれないですし、買主が不安がっているのを見て見ぬふりをしていたのかもしれないですね。

なんにせよ、不動産の契約には「手付解除」の項目が必ず入るので、手付金を放棄すれば契約を解除する権利は売主・買主双方にあります。

簡単に手付解除をさせないためにも、ある程度の手付金(昔は物件価格の1割が目安でした)を入れるように気を付けてください。


万が一にも契約がキャンセルになれば、売主さんの精神的ダメージも大きいですし、不動産会社としても金銭的にも精神的にもダメージは大きいです。

焦らせず、慎重になりすぎず、自信を持って丁寧な仕事をするように心がけるようにしています。

まとめ

マンションの売却をする人の大部分は売却初心者です。

知識や経験にも乏しいため、売却にともなう諸々の作業には疲れてしまう事も致し方ありません。

そういった作業に関してのお手伝いをさせていただくのが不動産会社なのですが、売主さんとしても売却に向けてのスケジュールには余裕を持っていただくことで、不動産会社としてもしっかりとしたサポートができるようになると思います。

「とにかく手間なく」「時間がかかっても少しでも高く」など、売主さんのご要望に沿う形での売却のお手伝いをさせていただきますので、マンションの売却をお考えの際にはお気軽にお問い合わせください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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