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ルーフバルコニー付きマンションが高く売れる理由と人気の秘密を考える

「こんな高い値段じゃ」とか「こんな間取りじゃ」と思っていても、なぜか早々に売れてしまう「ルーフバルコニー付き」のマンション。解放感や希少性から、一部の買い手にとっては非常に魅力的で「刺さる」キャッチコピーのようです。今回は、ルーバル付きマンションの人気の秘密と、なぜ高く売れるのか、その理由を解説していきます。

1. そもそもルーフバルコニーとは?

なにげに使っている「ルーフバルコニー」という言葉ですが、そもそもルーフバルコニーとはどんな場所を指すのかを確認しておきましょう。

1-1 下の階の屋根のこと

簡単に言ってしまえば「下の階の屋根(ルーフ)を床として利用したバルコニー」です。

イラストにするとこんな感じになります。

「屋根」ってのがポイントです。

2. ルーフバルコニーが高く売れる理由

言ってしまえば「ただの広いバルコニー」にすぎない「ルーフバルコニー」。にもかかわらず、どうしてルーフバルコニー付きのお部屋は高く売れるのでしょう。

2-1 希少性

イラストを見ると分かるように、ルーフバルコニー付きのお部屋はたくさん作れるものではありません。

新築販売時に、プレミアム感を演出するためにごく少数のお部屋を販売します。

販売価格も高額になるため、どんなマンションでも設定できるものではありません。必然的に、少数のマンションに、少数のお部屋での設定となり、結果として市場に出回る物件数が少なくなり、探している人にとっての希少価値が高まり、売りに出した際の競争率が高まる傾向になります。

この競争率の高さが、売却時においての価格維持や短期間での成約に良い影響を与えます。

2-2 高層階+角部屋

「下の階の屋根」を使って作るため、必然的にルーフバルコニー付きのお部屋は高層階の角部屋になる確率が高くなります。

マンションの販売において人気要素になる「高層階」「角部屋」にプラスして、希少性の「ルーフバルコニー」のキーワードが付くので、より一層に人気になるのもうなずけます。

3. ルーフバルコニーの人気の秘密

希少性のあるルーフバルコニー付きのお部屋ですが、それ以外にも人気になる秘密があります。

3-1 解放感+陽当たり

バルコニーのように上層階にふさがれることもなく、部屋の中から外を見た時の解放感が増すのも人気の要素です。

屋根のない空間が広くなるので、陽当たりが良くなるのもメリットです。

3-2 なんとなくのワクワク感

僕自身はルーフバルコニーになんの魅力も感じない人間です。

そのため、お客さんで「ルーフバルコニーっていいよね」と言われた人に、「何がいいんですか?」と聞いたことがあります。

残念ながら、誰も明確に理由を答えてはくれませんでした。でも、皆さん戸惑いながらも顔はなぜか「ニヤッ」としてました。

恐らく、何か特別に「これをやろうっ」とか思っているわけではなく、これだけのスペースがあれば「何かできる」っていうワクワク感や期待感があるのではと。

ガーデニングだったり、子どもの水遊びだったり、キャンプチェアを置いて日光浴とかもするのかな?

とにかく、「なんかワクワクする」って気持ちになれるのが人気の秘密のような気がします。

4. 実際の使い勝手はどうなんでしょう

人気のあるルーフバルコニーですが、管理規約で禁止されている事柄もけっこうたくさんあり、思ったような使い方ができないのも事実です。

「こんな使い方がしたいんだよねぇ」と言われつつも、「それ禁止ですから」と心の中で苦笑いした事柄をまとめてみました。

4-1 火気厳禁

キャンプまではいかなくとも、「バーベキューをしたい」って言われることは結構あります。

直火は当然ですが、コンロを使ってもダメです。火の粉が飛んで防水層に穴が空いたら大変です。階下漏水します。けっこうマジでシャレにならない損害賠償問題になります。

花火もダメですよ。

過去に1人、賃貸のバルコニーで「こっそりバーベキューしてんですよ」って笑いながら話した人がいましたが、「こいつアホだな」って、こちらからフェードアウトしました。

4-2 プールは要注意

プール遊びは大丈夫なのですが、遊び終わった後の処理が要注意です。

屋外だからと何も考えずに「ザバァー」って一気に排水溝に水を流すと、下のお部屋で漏水する可能性があります。

ルーフバルコニーの排水溝は、あくまでも「雨水」を排水するための場所なので、大量の水を一気に排水するようには設計されていません。

流す場合には少しずつ様子を見ながら流すようにしてください。

4-3 「庭」にしちゃダメです

「広いルーフバルコニーでガーデニングを」なんて考える人もいるかもしれませんが、気を付けてください。

プランターを並べてのガーデニングなら、どこのマンションでも恐らく大丈夫だと思いますが、庭の感覚でレンガやブロックなどを並べて直接ルーフバルコニーに土を入れるのはご法度です。

雨で排水溝に土が流れ込んで詰まる可能性もありますし、大規模修繕工事の時に撤去するのが大変です。そのため、たいていのマンションの管理規約にも「ベランダに土を運び込まない」と書かれています。

プランターなら大丈夫と思ってたくさん並べている人もいますが、実際に大規模修繕工事の時に室内に移動するのは大変ですよ。

ルーフバルコニーにかかわらず、バルコニーにも荷物は極力置かないようにしておく方が色々と無難です。

4-4 バタバタすると怒られます

子どもやペットの遊び場にする人もいるかもしれませんが、あまりバタバタと走り回るのはやめておきましょう。

最初に書きましたが、ルーフバルコニーは「下の階の屋根」を利用した場所です。

防水は考えても遮音は考えていない場所なので、足音やモノを落とした音などは下の階へ結構響きます。

バタバタするような場合には、事前に一声掛けておく方が安心です。

まとめ

ルーフバルコニー付きのお部屋は希少性があり人気も高く、売却の際には比較的スムーズに成約をすることができます。

買い手が思い描くようなルーフバルコニーの使い方ができるかは未知数ですが、売り手としてはスムーズに売れるのであれば問題なしです。

ルーフバルコニー付きのお部屋を売却される際には是非とも一声お掛けいただければと思います。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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