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スキップフロアのマンションの売却が難しいのはなぜ?失敗しない対策法

スキップフロアのマンションは間取りに個性があり魅力的ではあるのですが、いざ売却しようとすると「売れにくい」と感じる方も多いようですが、その理由はどこにあるのでしょうか?今回は、スキップフロアマンションの売却が難しい理由と、スムーズに売却するための対策を詳しく解説します。不動産の売却を検討中の方はぜひ参考にしてください。

1. スキップフロアのお部屋の魅力と課題

一般的なマンションのように、全ての階にエレベーターが止まるのではなく、1階・4階・7階…のように、エレベータが階を「スキップ」するように飛ばして止まる構造のマンションを「スキップフロア」と呼んでいます。

エレベータの停止階と非停止階で間取りの設計を変えることができるため、マンション内でも間取りの選択肢が増え、一昔前には結構な数のマンションが建てられました。

間取りの選択肢が増えることは購入者としての魅力にはなるのですが、いざ中古マンションとして売却を考えた時には課題を抱えることも事実です。

まずは、スキップフロアの基本的な特徴と、メリット・デメリットについて解説します。

1-1 スキップフロアの基本的な特徴

エレベーターが全ての階に停止するのではなく、1~2階おきにしか止まらず、フロアを「スキップ」することからスキップフロアと呼ばれています。

マンションによって停止階は異なるのですが、1階・3階・6階・8階・10階…のパターンと、1階・4階・7階・9階・11階…の2パターンですが、1階・4階・7階・9階・11階…のパターンの方が一般的ではないかと。

ちなみに、僕がもうすぐ引っ越す新居もスキップフロアのマンションで、1階・4階・7階のパターンです。

2. メリットとデメリットの整理

マンションの大きなメリットであるバリアフリー対応に反するスキップフロアですが、どのようなメリットがあり、どのようなデメリットがあるのでしょう。

2-1 メリット①:専有面積が広くとれる

エレベーターが止まらない「非停止階」では共用廊下を設ける必要がありません。

そのため、エレベーターが止まり共用廊下を設ける必要がある「停止階」と比べると、共用廊下のスペースの分だけお部屋の専有面積を広くとることができます。

単純に廊下の分だけ部屋を広くするパターンや、廊下にあたる部分をバルコニーとして「両面バルコニー」の間取りになっているパターンもあります。

2-2 メリット②:プライバシーを保ちやすい

バルコニーにするパターンであれ、お部屋を広くするパターンであれ、共用廊下がないため窓の前を他人が通ることがありません。

そのため、家具の配置に悩んだり、部屋を覗かれるなどの心配もなく、お部屋での生活にも安心感が増します。

2-3 メリット③:通風や採光が良くなる

通常、マンションの北側の部屋の窓と言えば、人の出入りができない「腰窓」サイズになります。

ですが、スキップフロアで両面バルコニーを採用したお部屋の場合、北側のバルコニーに面したお部屋の窓を「掃き出し窓」にすることができます。

窓を大きくすることで採光も増え風通しも良くなります。

腰窓の場合でも、2-2で述べたようにプライバシーが確保しやすいため、窓を開けておくことへの抵抗も少なく、結果として風通しも良くすることができます。

じゅうぶんな通風や採光が確保できることは、快適な生活をするうえでは欠かせない重要なポイントと言えるでしょう。

2-4 デメリット①:バリアフリーではない

玄関にたどり着くためには絶対に階段を使う必要があるため、バリアフリーへの対応はできません。

ケガをした場合や、年を取って足腰が弱くなっりした場合。小さいお子さんがいるご家庭ではベビーカーの問題も出てくるでしょう。

階段を昇るよりは降りる方がラクと考えれば、「外出時には階段を降りて下の階から乗る」「帰宅時には上の階で降りる」といった具合に、エレベーターの利用方法を工夫すれば、階段は基本的に降りるだけで済ませることも可能です。

ですが、ケガや高齢になったときのことを考えると、停止階のほうが利便性が高いのは間違いありません。

2-5 デメリット②:引っ越しは大変

エレベーターが止まらないため引っ越しの際の搬出・搬入作業は大変になり、引っ越し料金が割り増しになる可能性もあります。

ですが、引っ越しなんて頻繁にするものでもないですし、割り増し料金といっても交渉次第でなんとかなるものです。

このデメリットはあまり気にする必要がないかもしれないですね。

2-6 デメリット③:人の目が届きにくい

プライバシーが確保しやすいのがメリットですが、その反面として、人の目が届きにくいとも言えます。

共用廊下があれば定期的に他の住人が通り、人の目もあるのですが、スキップフロアの場合では基本的に玄関前を通るのは自分もしくは向かい側の住人に限られます。

そのため、空き巣にとっては好都合の条件にはなりますので、防犯対策はきちんと行っておくことが必要です。

3. 買い手が抱える不安とは?

売却をスムーズに終わらせるためには、購入希望者がスキップフロア物件に対して抱える不安を知っておくことは大切です。

ここでは、実際の販売の現場で聞かれる不安材料を解説していきます。

3-1 将来的に階段が…

マンションを購入する際には、戸建てと違って「平面」で生活が完結することを主眼にしている人がいます。

そんな人たちにとっては、エレベータを降りてから階段を昇り降りしなければならないスキップフロアの非停止階は不安になってしまうようです。

「今いいけど、歳をとったらねぇ」のセリフは何度聞いたか分かりません。

3-2 将来的に売れるの?

自分自身が購入に対して不安を抱えているので出てくるセリフでしょうね。

今の人たちは事前にネットで調べる人が多いので、ネットで「マンション スキップフロア」なんて検索したらネガティブな記事しかヒットしませんから余計不安になってしまうんでしょうね。

4. 売却を成功させるためのポイント

売りづらいと言われるスキップフロアのマンションをスムーズに売却を進めるためには、買い手の不安を上手に払拭することが必要です。

どんな切り返し方をすると効果的なのでしょう。

4-1 みなさんフツーに暮らしてますよ

「階段がぁ」の不安は誰しも持つものです。ですが、実際に住んでいる高齢の方々もフツーに階段を使って生活していますからね。

たしかに重たい荷物を持っての階段の昇り降りはキツイので、マメに買い物に行くようにしていたり、重たい荷物は通販を上手に使ってみたりとの工夫はしています。

週末にまとめて買い出しをしている人たちは「しんどいなぁ」と思うかもしれませんが、子どもが独立して自分たちも高齢になってくれば、週末にまとめて買い出しをすることもなくなるのではないでしょうか。

むしろ、毎日もしくは隔日で近所のスーパーへ散歩を兼ねて買い物に行った方が健康のためにもいいと思うんですが。

だいたい、ダイワやセキスイ、大東建託とかが建ててる2階建て、3階建てのアパートに住んでる高齢者も大勢いるわけですから、住んでみればなんとかなるのものですよ。

4-2 空き部屋、ないですよ

築年数の関係もあるのですが、スキップフロアのマンションって比較的立地の良い場所に建っていることが多いです。

立地の良いマンションは、欲張って相場を無視した高値でなければ売れます。

・立地が悪くて車がないと生活できないエレベーターが止まるマンション
・エレベーターは止まらないけど車がなくても生活できるマンション

どっちがいいですか?の話しです。

80歳、90歳になっても生活のために車が手放せない立地よりは、階段の昇り降りがあっても立地の良い場所のマンションの方が僕はいいと思います。

4-3 北側にもエアコン付きますよ

バルコニータイプの場合に限ってですが、北側の部屋にもエアコンが取り付けられるのもセールスポイントです。

築40年前後のマンションの場合、北側のお部屋にはエアコンが取り付けられないケースが多々あります。消防法の関係で共用廊下に室外機が置けないんですね。エアコンスリーブも空いてないですし。どうしてもの場合でしたら、窓エアコンになってしまいます。

ですが、スキップでバルコニータイプになっていると大抵置けます。スリーブが空いてなくてもなんとかなります。

毎年毎年の猛暑を考えると、エアコンが付けられるのは結構なセールスポイントになると思うのですが、いかがでしょう。

4-4 不動産屋の担当者も大切

スキップフロアだけでなく、クセの強い不動産の場合には不動産屋の担当者選びも大切です。

大手だから、街の不動産屋だからではなく、人生経験を積んでいない若い担当者だと、買い手のお客さんと同じ目線でしか物件を見ることができないんです。

お客さんが「エレベーターが…」「売れないよね…」などのデフォルトの質問をしてきた時にも、前述したような変化球の返しができないようです。

けっしてお客さんが言ったことを否定するのではなく、「こんな考え方もありますよぉ」的な返しをできるかどうかで反応が変わったことも多々経験しています。

まとめ

将来的な資産価値や生活の利便性を考えると、スキップフロアではなく各階停止のエレベーターがあるマンションの方が人気があります。

ですが、マンションを売却するには多種多様な要素が絡み合っているため、一概に「スキップフロアだから」で売れないわけでもありません。

「階段がぁ」「荷物が多いと…」」「子どもが小さいくて」等々、いろいろなネガティブ反応に対しても、上手に切り返していくことで「気にしすぎなのかも」と考えを変えた方も多数おみえです。

ネットに溢れるネガティブ情報に踊らされることなく、ご自身の大切な資産をしっかりと有効に売却できるように、今回のブログ記事を参考に売却を行ってください。

マンションの売却に関してはいつでもお手伝いさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。



この記事を書いた人


 エイチ・コーポレーション 代表:林  裕 地


【経 歴】
住宅リフォームの営業を経て不動産売買仲介会社に転職。エイチ・コーポレーションを平成26年に開業。

結婚のタイミングで新築マンションを購入。その後の子育てや離婚、マンションの売却を経ての中古マンション購入など、実体験に基づいての様々なご提案ができます。

保有資格:宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/福祉住環境コーディネーター など

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